円キャリーはソフトランディング>ハードランディング?
昨日から男子のプロゴルフが開幕しましたが、腰痛から癒えたとは言いながらも、還暦を迎えたジャンボ尾崎が2アンダー14位の好発進とはびっくりさせられました。500ヤードを超えるロングホールも楽々2オンしたらしく、とりあえずは予選通過を楽しみにしています。
おそらく、4日間競技でもあることから、優勝を望むのは酷でしょうが、飛距離とテクニックは健在のようです。ともかくは経験則と実績がなせる業でしょうが、脱帽しますね。
為替は過去の実績や経験則では勝てない、そして、既存のテクニカルを駆使しても、実績もなければ、経験不足の頭脳では良いシナリオが描けません。
昨日は外国証拠金取引で4億円の儲けを隠して脱税したオバサン(失礼!)がいましたが、彼女に究極の為替術を拝聴したいものですね。
本屋の店頭に行けば、胡散臭い儲け話の本がワンサとありますが、オバサンの実績は国税庁承認ですので、信憑性に関しては一番でしょう。本を出せば税金を取り戻せるかも?
▼注目されたトルシェECB総裁発言も金利据え置きが全員一致で決定した以上は、目先では利上げ示唆とはいかないようだが、ユーロ圏内では3.75%から4%のコンセンサスがあることからも、ユーロドルの上昇基調は健在である。しかし、利上げ時期に関しては慎重な姿勢は崩しておらず、現段階では利上げに含みをもたらしている状況とも言えるだろうが、当面は現状の政策金利でユーロ経済の動向を見守る姿勢である。
内容的にはインフレ率が直近では低下傾向、そして年末にかけては上昇の見込みとなれば、現状ではユーロ経済の景況感がよくても、米経済の浮沈がユーロ経済にも大きな影響を及ぼすと判断し、総じて、利上げにはニュートラルと見るのが順当かもしれない。とりあえずは、世界経済の柱である米経済の不透明さと、過度な米ドル安がユーロ経済に波及することを懸念した会見とも言えるだろう。
円安問題には多くは語ってはいないが、低金利政策によるキャリートレードの存在が、世界の安定経済に及ぼす影響を考えると、マネーの流動性に変化を及ぼしている事は確実であり、円キャリー及びスイスキャリーの軟着陸を急ぐ必要性と違和感が共存している見解とも言えるだろう。
昨日も述べたが、ユーロ高と米ドル安、そして円安が過剰気味である背景から判断すると、キャリートレードが想定外の伸びを見せている状況であり、今後はFX相場の歪みを矯正する局面が予想されるが、米経済と同様にキャリートレードのソフトランディングを摸索している段階でもあり、円キャリーの実体が掴みきれない状況を考えると、時間の経過と共にハードランディング『キャリートレードの巻き戻し』が現実化する恐れもあるだろう。強いて言えば、現状では8合目から9合目のキャリートレードと判断するが、のりしろが少ないキャリートレード相場と考えることが賢明であり、それなりの対応が迫られる相場である。
一方、ヘッジファンド及び本邦機関投資家にとっては収益力と集客力の要でもあり、現状ではキャリートレードの魅力に屈している相場とも言えるだろうが、トリシェ総裁も述べているように、円相場はファンダメンタルズが反映すべきであり、金利動向から離れて、リスクの増大を考慮して臨む事が必要であろう。
いずれにしても、G7を控えて、各国要人発言が相場を乱す要因ではあるが、あくまでもG7の声明文に大きく左右される相場でもあり、繰り返しになるが、サプライズ期待の方がリスクは限定的と判断し、米ドル安と円安の調整局面が生じやすい展開と判断し、ドル円119円台半ば以上の売りと、ユーロドル1.35台半ばのショートを勧める。