まだ買える米ドル相場!ドル円120円・ユーロドル1.34台の重石
先週末の米3月雇用統計が想定以上の改善を見せている。(米)3月失業率4.4%と3月非農業部門雇用者数も予想13万人から18万人と、不透明な米景況感を覆す展開も考えられるが、相場自体は相変わらず米経済の不透明さに振り回される展開が見込まれる。
依然として、米ドルの取り巻く環境が、サブプライム問題、イラン情勢、そして、米経済指標が好悪混在している状況は変わらず、今回の米雇用統計の数字のみで米経済減速懸念を払拭する事は不可能であるが、米経済のあく抜けの指標としては尊重することも必要である。とりあえずは、今週以降の米経済指標に関心が寄せられることになり、週初は米ドルの強さを再確認することになるが、現段階では手薄な市場が米ドル買いの調整を促し、一時的な反発を促している段階と見るのが賢明とも言えるだろう。
▲ドル円が119円台に乗せたことにより、再びユーロ円の加速的な上昇にも繋がっており、相対的なキャリ−トレード現象による円安懸念が再燃しているが、今週はECB理事会があり、また、週末にはG7が予定されている関係上、タイミング的には過小評価されている円相場に対する不満分子の動向にも注意を払う必要があるだろう。当面はドル円120円を意識する展開ではあるが、シナリオ的には円高シナリオも同時に起こり得る展開でもあり、値ごろ感からの売り圧力と同時にキャリートレードの解消も引き起こすことにもなりかねず、随所にストップロスの配慮が要求されることになるが、乱高下必死の相場展開と見なしたほうが賢明な相場である。特にユーロ円がユーロ誕生以来の高値圏に遭遇していることもあり、160円を目指す展開であることもキャリ−トレードの手仕舞い現象を早める要因でもあり、市場心理としても、ドル円120円、ユーロ円160円、そしてユーロドル1.34台レベルからのポジション縮小は余儀なくされると判断するが、臨機応変な相場観が必要とされるだけに、メリハリの効かせたシナリオで臨む事を勧める。難易度も高いが、心理面での影響も受け易い相場展開でもあり、フットワークを重視したポジション取りを勧める。
▲週末のG7においても、円安論議が水面下では激化する恐れもあるが、同時に、相対的な米ドル安とユーロ高に対しても論議がなされる可能性もあり、過度な円安及び米ドル安には警戒感が一層強まることも想定して臨むことが必要であるが、いずれにしても、市場参加者の方向感がかなり乏しい状況でもあり、戦略的には、ある程度のレンジ幅の売買を想定して臨む事がベストであろう。ドル円117.50〜120円、ユーロドル1.3250〜1.3450のレンジ幅での売買を勧める。
▲日銀金融政策決定会合と欧州中銀金融政策発表が控えているが、両金利とも即利上げを実施する状況ではないが、日米欧の金利格差が一考に縮小しない以上は円安期待も依然として根強いが、過度な円安期待は120円までと仕切り線を設けることも大事である。120円台に乗せれば121円、122円と円安期待は高まるが、ドル円は各駅停車の相場と考えたほうが、冷静な判断を下すことが出来るだろう。
●**今週のペットでも判る簡単チャート(事前予測実施中)**
作成年月日 2007年4月08日(日)週末の終値ベース
ドル円が再び119円台に乗せたことにより、ドル円に関しては様子見から弱めの売りシグナルへと移行している。先週半ばにはユーロドルが1.34台と過剰気味とも思われるユーロドル買いではあったが、全般的には米ドル売りに過熱感が生じている相場展開である。先週末には米雇用統計の改善により、米ドルの上昇に弾みがついたが、依然として不充分な米ドル買い状況が続いている。総体的には米ドル安と円安の進捗状況がキーポイントになる相場展開であるが、背景には円キャリートレードの影響が浸透しているマーケットとも言えるだろう。それゆえに、円キャリートレードの手仕舞いが生じ易い相場展開であり、今後はクロス円の高値掴みには注意を要するだろう。チャート上ではユーロドル1.34台、GBP/USD1.97台、AUD/USD0.82台ではかなり強めの売りシグナルが点灯しており、米ドルの巻き返しがあっても不思議ではない。ドル円相場がほぼニュートラルなレベルで推移しているため、クロス円の上値の重さが強調される相場展開である。先週指摘したようにドル円が119円台に到達したことから、クロス円との乖離幅が縮小する傾向であるが、想定以上に円キャリートレードの後遺症が他の通貨に拡大しており、総体にはバランスの歪み強調されている。米ドル買いと円高が優先される相場展開である。
尚『通貨別チャートは各通貨をクリックしていただければ、ご覧いただけます』
●新外為の森 US$チャート(ユーロドル/ドル円)米ドルの強弱関係⇒米ドル買い
▼ドル円 (ユーロドル⇔ユーロ円)ユーロから見るドル円相場。
平均乖離幅0.1000 現状乖離幅0.1085⇒0.1207
2週に続いた118円前後からの様子見状態から、今週は漸く売りシグナル119.25円が点灯しているが、強い売りシグナルではなく基本的にはもう一段のドル円の上昇を待ちの相場である。119円台半ばから後半にかけての売りに転じることが賢明であろう。
今週の乖離幅の試算=?1÷ユーロドル1.3375=0.7477?100÷ユーロ円159.50=0.6270⇒(0.7477−0.6270=0.1207)=ドル円119.25リ弱め
過去週間ごとの乖離幅と売買シグナルは以下の通り。
0.1133(116.50売り)→0.0958(114.00買い)→0.1095(116.15売り)→0.0982(114.45買いclose)→0.1177(117.60売り)→0.1111(116.55買いclose)→0.1314(119.65売り)→0.994(115.85買いclose)→0.1370(121.50売り)→0.1319(121.00売り継続)→0.1093(116.85買い)⇒0.1180(118.30売りclose)→0.1072(116.65買い)→0.1154(118.10売りclose様子見)⇒0.1085(117.80様子見)
▼ユーロドル(ドル円−ユーロ円)平均乖離幅33円 現状乖離幅39.95⇒40.25円)
先週は売りシグナル1.3355が点灯していたが、週半ばでは、かなり強めの売りシグナル1.34台にのせており、その後の調整売りが見られたが、今週も1.3375と強めの売りシグナルが点灯している。過去週間ごとの売買シグナルは以下の通り。
1.2729売り→1.2510買いclose→1.2875売り→1.2511買いclose→1.3095売り→1.3335売り→1.2875買いclose→1.3169売り→1.3192売り→1.3115売り継続→1.3318売り→1.3285売り継続→1.13355売り
▲豪ドル(ドル円−豪ドル円 平均乖離幅28円 現状乖離幅(22.50⇒21.90円)
先週の強い売りシグナル0.8090から、今週は更に強い売りシグナル0.8164が点灯している。0.82台からのショートであればリスクも限定的と判断し、積極的な売りも可能であろう。
過去の週間ごとの売買シグナルは以下の通り。
0.7318買い→0.7676売りclose→0.7420買い→0.7509売りclose→0.7887売り→0.7787買いclose→0.7898売り→0.7737買いclose→0.7750買い→0.7872売りclose→0.7917売り→0.7810買いclose→0.7964売り→0.8048売り→8090売り
▲NZドル(ドル円−NZ円 平均乖離幅38円 現状乖離幅33.55⇒33.35円)
先週の強めの売りシグナル0.7152から、今週も更に強めの売りシグナル0.7203が点灯している。
過去の週間ごとの売買シグナルは以下の通り。
0.6179買い→0.6550売りclose→0.6375買い→0.6615売りclose→0.6530買い→0.6680売りclose→0.7046売り→0.6876買いclose→0.6828買い→0.6975売りclose→0.7066売り→0.6982売り継続中→0.7117売り→0.7152
▲カナダドル(ドル円−カナダ円 平均乖離幅15円 現状乖離幅15.70⇒15.70円)
売りシグナルが1.17台後半から続いており、先週から1.15台に突入しており、今週も1.1516の弱い売りシグナルが点灯しているが、ほぼ様子見状態に近く、1.15割れでは清算局面の買い戻しも検討。過去の週間ごとの売買シグナルは下記の通り。
1.1195買い→1.1258売りclose→1.1379売り→1.1262買いclose→1.1195買い→1.1297売りclose→1.1725売り←1.1802売り→1.1855強い売り→1.1719売り→1.1627売り→1.1596買いclose→1.1773売り→1.1753売り→1.1613売り継続→1.1538売り継続
▲ポンド(ドル円x2−£円 平均乖基準離幅15円 現状乖離幅3.70→4.10円)
ドル円119.25x2=238.50−ポンド円234.40=乖離幅4.10円
先週の強め売りシグナル1.9686から、今週も1.9656の売りシグナルが点灯している。1.97台ではリスク限定の売りシグナルの兆候が見られる。過去の週間ごとの売買シグナルは下記の通り。
1.9808売り→1.9553売り継続→1.9291買いclose→1.9736売り→1.1966売り継続→1.9499買いclose→1.9636売り→1.9105買いclose→1.9435売り→1.9324売り継続→1.9417売り→1.9615売り→1.9686売り
▲スイスフラン(ドル円−スイス円 平均乖離幅23円 現状乖離幅20.85⇒21.70円)
1.21台からの買いシグナルが点灯しており、今週も1.2225の買いシグナルが点灯している。過去数週間の売買シグナルは以下の通り。
1.2491買い→1.2533売りclose→1.2093買い→1.1933買い→1.2354売りclose→1.2532売り→1.2478買いclose→1.2364様子見→1.2328様子見⇒1.2166買い→1.2349売りclose⇒1.2069買い→1.2194買い継続→1.2151買い
★豪ドル円/NZドル円裁定取引(平均基準乖離幅10.00円 現状乖離幅11.05⇒11.45円)
しばらく様子見状態が継続していたが、今週はチャート上での乖離幅が拡大しており、豪ドル円売り/NZ円買いの状況に達している。
過去の週間ごとの乖離幅は以下の通り。
9.30→11.80→16.00→13.00→15.35→16.00→15.40→14.90→17.10→15.40→13.90→10.55→9.90→12.25→10.85→9.95円→10.80←11.20→11.45→9.40→11.30→11.40→10.70→10.95→10.30→10.95→10.55⇒11.45→11.00→11.05円
▲単純加算方式 ユーロ円+ドル円(260円以下は円高&275円以上は円安の目安)
過去の月平均は2006年度2月258.80 3月257.83 4月260.42 5月255.44 6月259.28 7月262.43 8月263.61円 9月266.51円 10月268.38円 11月268.68、12月273.05円。 2007年度1月275.78円 2月278.66円(2月末はドル円121.00+159.35=280.35円の円安記録)3月平均は272.8円と円高傾向。先週は275.15と円安に振れ、今週はドル円119.25+ユーロ円159.50=278.75円と円安再燃(キャリートレード)、キャリートレードの分岐点は270円以下と280円以上を優先。
● 欧州通貨ペア
▲ユーロポンド『平均乖離70円 現状乖離幅74.55⇒74.90円』
大きな変動が見られず、先週は0.6773の売りシグナルが点灯していたが、今週は0.6805の売りシグナルが継続中。
過去の売買シグナルは以下の通り。
0.6818売り→0.6737買いclose→0.6795売り→0.6735買いclose→0.6775売り→0.6701買いclose→0.6567買い→0.6590売りclose→0.6787売り→0.6859売り→0.6773売り継続→0.6785売り継続
▲ユーロスイス『平均乖離54円 現状乖離幅60.40⇒61.95円』
しばらく様子見が継続していたが、今週は1.6351の売りシグナルが点灯している。週間ごとの売買シグナルは以下の通り。
1.5811売り→1.5607買いclose→1.5815売り→1.5905売り→1.5945売り→1.5835買いclose→1.5901様子見→1.6088様子見→1.6189様子見→1.6253様子見→1.6195売り⇒1.6073買いclose→1.6200様子見→1.6230様子見
▲ポンドスイス『平均乖離35円 現状乖離幅38.00⇒39.30円』
2.3435から上昇を見せているポンドスイスであるが、先週の2.3920の買いから、今週は2.4029の買いシグナルが依然として点灯している。欧州通貨同士のキャリ−レードの兆しも散見される。
2.2621買い→2.3340売りclose→2.3495売り→2.3200買いclose→2.3615売り→2.3372買いclose→2.4645売り→2.4489買いclose→2.4566売り→2.4326買いclose→2.4208買い→2.4235売りclose→2.3644買い→2.3862売りclose→2.3435買い→2.3918買い→2.3920買い継続
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各通貨別チャートは新外為の森ホームページよりもご覧になれますのでご参照ください。
新外為の森
★ 本ペットチャートでは3段階分散投資をお勧めしています、常に少なめからの始動をお願い致します。最終的な投資・運用の判断はご自身の責任で行って下さい。HPより各通貨別のチャートをご覧いただけます。
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