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鈴木郁雄の実践・為替ストラテジー

彷徨う米ドル⇔ユーロ高、円安に黄信号!

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先日名古屋でセミナーのため、久しぶりに新しい靴を購入して出かけましたが、さすがに1日中履いていたこともあり、やわな足にマメが数ヶ所出来てしまいました。靴のサイズには問題がないのですが、運動不足もあり、足のむくみが朝と晩では大違いであったことに原因があったようです。。。。。。。 
帰りの新幹線で備え付けのWEDGEウェッジと言う雑誌を見ると、ヨーロッパの明日と題して、ロンドンの地下鉄の料金が書かれていましたが、2年連続値上げして、今では初乗りが4ポンドと1000円近いとはびっくりです。あの有名なロンドンのブラックキャブ(タクシー)の初乗りでさえ2.2ポンドだそうです。わが奥様も5月にロンドンで行なわれる『イルディーヴォ』のコンサートに友人と行くようですが、ロンドンのホテル代もうなぎ登りで、今では税込みで5〜6万円するそうです。これだけ払えば、日本の宿では2人分、そして豪華な会席料理も堪能できますね。結論は海外旅行もままならない超円安と言えるのかもしれません。

●米経済指標も信頼性が乏しいが、昨晩の米第4四半期GDP確報値が上方修正され、米ドル買いも見られたが、市場全体が近視眼的な相場と化しており、市場は昨年10月−12月期の米GDP指標にまで反応を示しているが、継続性は得られない相場である。
いずれにしても、方向感が定まらないのが現状のマーケットではあるが、昨日からの円安基調の理由付けとして、安易にキャリートレード再開と報じられている所以も、相場観のなさが証明しているのだろう。一方では、米経済の不透明さが更に増している状況下で、中東情勢の悪化が原油価格の高騰を招いており、マーケットのかく乱要因として浮上していることを考えても、容易なマーケットではない事は明らかである。
本日は年度末となるため、東京市場での動きは制約されるが、海外勢の参入ともなれば一変する展開も考慮しなければならないだろう。ユーロ圏内ではECB利上げに関しては、未だに賛否両論があるようだが、とりあえずは、為替に関しては、ユーロ高による貿易不均衡が焦点になるが、ユーロ圏の主要国である独仏伊では本格的な物価上昇が懸念されており、インフレリスクが顕著になっているため、ECBの早期利上げを促す風潮があるため、今すぐにでも金融引締めがなされても不思議ではない状況であるが、ユーロ高が定着することに対して不安と憤りを見せているユーロ市場とも言われる。地政学的リスクとオイルマネーの流動性が高まる以上は、当面はユーロドルロングを推奨するが、ユーロドル1.34台には上値の重さがあり、過度なユーロドル高は禁物であろう。現状では1.33割れのロングを勧める。
▼当面は日米欧の金利体系は不変であるとの見解から、新年度に突入しても、金利格差を背景にした円キャリートレードの継続性が考慮される。今後も機関投資家のニーズは相変わらず、円売り志向が強いが、キャリートレード自体は中期運用という観点から判断しても、リスクヘッジを取り入れた手法を優先しなければならず、今後はキャリートレードの手仕舞いが適宜に実施されると判断するが、既に円安が浸透しており、キャリートレードの本来の旨味が正常化しつつあるとも言えるだろう。今までは、スワップ金利+円安のダブル効果から、一般投資家も利益を享受できたわけだが、円安効果が半減する以上は、スワップ金利主体の投資法となれば、総体的には円安への歯止め策に繋がることになるだろう。従来のキャリートレードとの相違を認識しなければならない時でもある。
それゆえに、新規のキャリートレードとなると過度な円安期待ができないため、ドル円の上値も抑えられるが、それ以上にクロス円の上値が抑えられると判断する。過度な円安期待は禁物であり、スワップ手数料と為替の採算分岐点を重視して臨む事を勧める。ドル円118円台の売りを推奨すると共に117円台前半の買いを推奨する。
来週月曜日の日銀短観に集中させられる相場であり、レンジ幅を拡大して、待機策がベストであろう。
★クロス円はドル円主導の相場観で臨むことがベストであろう。個々のクロス通貨ではテクニカルもファンダメンタルズ分析も用を足せない状況である。単なる相場観では通用しない相場でもあり、レンジ幅を拡大し、そのイメージの中で売買することが肝心であると判断するが、クロス円の本来の難しさもあるが、実需の相場観が要求されるだけに、一般投資家は動きが生じてからの参加が賢明である。ユーロ円157円台と豪ドル円の95円台からのロングは勧められない。売りは、ユーロ円157円台半ばと豪ドル円95円台半ばの売りを勧める。


プロフィール

鈴木郁雄

Ikuo Suzuki

ケンティッシュジャパン代表

オーバーシーズユニオン銀行入行後、フランスの3大銀行のひとつであるソシエテジェネル銀行東京支店に勤務、外国資金本部長として20年間のディーリング経験を持ち、為替のみならず今話題のデリバティブ業務を日本に導入し、ディーリング部門を統括し、多大な成果を挙げる。01年10月為替投資顧問会社ケンティッシュ ジャパンを設立、今現在も邦銀大手ならびにロンドン・ニューヨークなどの外銀ディーラーとの親密な情報交換し、投資家心理を加えた独自の分析には定評がある。

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