米ドル買い相場へ!
【今週の見通し】
▼本来ならば本日から始まる日銀金政策決定会合に関心を注ぎ、21日の米FOMC政策金利に市場は注目せざるを得ない市場状況であるが、日米両金利とも、据え置きがほぼ決定的であり、金利自体の関心は薄れている状況である。日銀としても、先週来から米金利の利下げ観測が先行しているため、日本政府の顔色を窺いながら、そして、不透明な米経済の米金利動向を前にしては、福井日銀総裁の記者会見も当り障りにないコメントが予想されるだけに、週初はテーマを絞りにくい状況にならざるをえないだろう。いずれにしても、キャリートレードの余波が生じている最中で、依然として、米サブプライムローンの焦げ付きが燻っている段階でもあり、米ドルの上値の重さを払拭できない相場展開であるが、反面、ドル円115円台からはポジション調整による米ドル買い戻し局面が予想され、同時にユーロドル1.33台半ば以上の上値の重さから判断しても、米ドル売りを更に加速させるには、米利下げ観測が鮮明にならない限りは時期尚早と言えるだろう。米ドル離れを危惧する米国としても、現時点での利下げ先行説は許し難い状況と言えるかもしれない。
▼米国のサブプライム融資の焦げ付きに対する懸念が更に拡大する恐れもある。現状では住宅ローンに占める割合が10~13%前後と言われており、米経済への影響は限定的と楽観論もあるが、2004年度から2005年度に開始された変動ローンが主流でもあり、その間に短期FFレートの連続的な利上げがあり、米金利の見直し時期が接近している状況を察すると、サブプライムローンによる破綻懸念が増す状況も考慮すべきであろう。同時に、米ヘッジファンド及び大手金融機関もサブプライムローンに積極的に参加しているため、公表されているサブプライムローンの占める割合だけで安易に論じることは出来ないのも現実であろう。いずれにしても、米経済のソフトランディングが揺らぎ始めている事を認識して、ポジションの調整を図るときでもあり、同時にキャリートレード手仕舞いの余波を被らない戦術が急務である。
▼シカゴIMM通貨先物市場においては、円ショートの減少傾向は続いているが、投機筋の円ショートの縮図としては物足りなさを感じるレベル(62,886→52,853枚)に留まっている。依然として、円キャリートレードの手仕舞いの影響は計り知れないが、現状レベルで推移する公算も高いだけに、米ドルの反発も予期される。補足的な説明になるが、昨年2006年の同時期にはドル円110円割れが生じ、円高が先行し、IMMポジションにおいて、円ロングに転換した光景も無視できないのかもしれない。今回はキャリートレードの解消の実体が掴みきれず、試行錯誤が常に付きまとう相場であるが、ドル円115円を意識する展開になると思われるが、幾度となく跳ね返されたレベルでもあり、米ドルロングは115円台半ばと限定して臨むのも一考であろう。一方、ユーロドルのロングが堅調に推移しているが、10万枚前後で推移しているため、先週と同様に避難通貨的な役割を演じている可能性も否定できず、ユーロドル1.33台からの上昇度合いには疑念が生じやすい相場である。仕切り直しを含めて、ユーロドルの調整売りも1.33台半ば以上では考慮し、ポジションの軽減を図ることを勧める。
●**今週のペットでも判る簡単チャート(事前予測実施中)*****
作成年月日 2007年3月18日(日)週末の終値ベース
2月末からの目まぐるしい展開が物語っているように、当初は米ドルの買われすぎが特質していたが、先週は米ドルの推移が落着きを見せて、ニュートラルなレベルまでに戻りつつあったが、今週は一転して、米ドルの売られすぎの傾向が見られる状況である。現状では全通貨に対しての米ドル安が浸透しており、今週はドル円及びユーロドルに対しても米ドルの反発が期待できる範囲に突入している。相場自体が試行錯誤している状況であり、一つの転換期に差し掛かっている時でもある。一般的な相場予想には反しているが、米ドルロングが可能な状況であり、米ドルのショートを自重し、少なめの米ドルロングからの始動を勧める。
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●新外為の森 US$チャート(ユーロドル/ドル円)米ドルの強弱関係⇒米ドル買い
▼ドル円 (ユーロドル⇔ユーロ円)ユーロから見るドル円相場。
平均乖離幅0.1000 現状乖離幅0.1072←0.1180
先週はポジション解消売り118.30が点灯し、様子見が継続していたが、今週は早くも116.65円で買いシグナルが点灯している。 今週の乖離幅の試算=?1÷ユーロドル1.3318=0.7509 ?100÷ユーロ円155.35=0.6437→(0.7509−0.6437=0.10720)ドル円116.65
過去週間ごとの乖離幅と売買シグナルは以下の通り。
0.1133(116.50売り)→0.0958(114.00買いclose)→0.1095(116.15売り)→0.0982(114.45買いclose)→0.1177(117.60売り)→0.1111(116.55買いclose)→0.1314(119.65売り)→0.994(115.85買いclose)→0.1370(121.50売り)→0.1319(121.00売り)→0.1093(116.85買い)⇒0.1180(118.30売りclose様子見)
▼ユーロドル(ドル円−ユーロ円)平均乖離幅33円 現状乖離幅38.70←36.85円)
先週の弱い売りシグナル1.3115から一変して強めの売りシグナル1.3318が点灯している。過去週間ごとの売買シグナルは以下の通り。
1.2729売り→1.2510買いclose→1.2875売り→1.2511買いclose→1.3095売り→1.3335売り→1.2875買いclose→1.2964様子見→1.3169売り→1.3192売り→1.3115弱い売り
▲豪ドル(ドル円−豪ドル円 平均乖離幅28円 現状乖離幅(23.75←26.00円)
先週の様子見レベル0.7802から、今週は通常の売りシグナル0.7964が点灯している。
過去の週間ごとの売買シグナルは以下の通り。
0.7318買い→0.7676売りclose→0.7420買い→0.7509売りclose→0.7887売り→0.7787買いclose→0.7898売り→0.7737買いclose→0.7750買い→0.7872売りclose→0.7917売り→0.7810買いclose→0.7802様子見
▲NZドル(ドル円−NZ円 平均乖離幅38円 現状乖離幅35.20←36.55円)
先週の売りシグナル0.6910に続き、今週も0.6982で売りシグナルが点灯中している。
過去の週間ごとの売買シグナルは以下の通り。
0.6179買い→0.6550売りclose→0.6375買い→0.6615売りclose→0.6530買い→0.6680売りclose→0.7046売り→0.6876買いclose→0.6963様子見→0.6828買い→0.6975売りclose→0.7066売り→0.6881売り→0.6910売り継続
▲カナダドル(ドル円−カナダ円 平均乖離幅14円 現状乖離幅17.40←17.40円)
先週の売りシグナル1.1724からは変化が見られないが、依然として1.1753の売りシグナルが点灯している。
過去週間ごとの売買シグナルは下記の通り。
1.1195買い→1.1258売りclose→1.1379売り→1.1262買いclose→1.1195買い→1.1297売りclose→1.1578売り→1.1725売り←1.1802売り→1.1855強い売り→1.1719売り→1.1627売り→1.1596売り(一部買戻し)⇒1.1773売り→1.1724売り継続
▲ポンド(ドル円x2−£円 平均乖基準離幅20円 現状乖離幅6.80←8.00円)
ドル円116.65x2=233.30−ポンド円226.50=乖離幅6.80円
先週は弱めの売りシグナル1.9324が点灯していたが、今週は通常の売りシグナル1.9417が点灯している。過去数週間の経緯は下記の通り。
1.9808売り→1.9553売り継続→1.9291買いclose→1.9736売り→1.1966売り→1.9499買いclose→1.9636売り→1.9105買いclose→1.9435売り→1.9324売り継続
▲スイスフラン(ドル円−スイス円 平均乖離幅23円 現状乖離幅20.00←22.50円)
先週はポジション解消の売りシグナル1.2349が点灯しており、様子見状態に突入していたが、今週は米ドルの弱さ顕著であり、買いシグナルが1.2069で点灯している。
過去数週間後との売買シグナルは以下の通り。
1.2728売り→1.2594買いclose→1.2491買い→1.2533売りclose→1.2093買い→1.1933買い→1.2354売りclose→1.2532売り→1.2478買いclose→1.2364様子見→1.2328様子見⇒1.2166買い→1.2349売りclose様子見
★豪ドル円/NZドル円裁定取引(平均基準乖離幅10.00円 現状乖離幅11.45←10.55円)
様子見が継続していたが、若干乖離幅の拡大が見られる。豪ドル円売り/NZ円買いの局面
に傾斜しているが、強いシグナルではなく少な目のスタートが必要。
過去の週間ごとの乖離幅は以下の通り。
9.30→11.80→16.00→13.00→15.35→16.00→15.40→14.90→17.10→15.40→13.90→10.55→9.90→12.25→12.40→11.65→10.85→9.95円→10.80←11.20→11.45→9.40→11.30→11.40→10.70→10.95→10.30→10.95→10.55円
▲単純加算方式 ユーロ円+ドル円(260円以下は円高&270円以上は円安の目安)
過去の月平均は2006年度2月258.80 3月257.83 4月260.42 5月255.44 6月259.28 7月262.43 8月263.61円 9月266.51円 10月268.38円 11月268.68、12月273.05円。 2007年度1月275.78円 2月278.66円。
(2月末はドル円121.00+159.35=280.35円の超円安を記録)3月からは急変し、先々週
271円、先週273.45であったが、今週はドル円116.65+155.35=272円とキャリートレードの解消後落着きを見せている。265円と275円のレンジ幅も一考。
● 欧州通貨ペア
▲ユーロポンド『平均乖離70円 現状乖離幅71.15←73.45円』
先週の売りシグナル0.6787から、今週も引き続き売りシグナル0.6859が点灯している。過去の売買シグナルは以下の通り。
0.6818売り→0.6737買いclose→0.6795売り→0.6735買いclose→0.6775売り→0.6701買いclose→0.6567買い→0.6590売りclose→0.6788売り→0.6787売り継続→0.6788売り
▲ユーロスイス『平均乖離54円 現状乖離幅58.70←59.35円』
先週は1.6195で売りシグナルが点灯していたが、今週はポジション解消の買いシグナル1.6073が点灯し、様子見状態に突入している。
週間ごとの売買シグナルは以下の通り。
1.5811売り→1.5607買いclose→1.5815売り→1.5905売り→1.5945売り→1.5835買いclose→1.5901様子見→1.6088様子見→1.6189様子見→1.6253様子見→1.6195売り
▲ポンドスイス『平均乖離35円 現状乖離幅33.20←37.00円』
先週はポジション解消売り2.3862が点灯し、様子見であったが、今週は買いシグナルが2.3435で点灯中。過去週間ごとの推移は以下の通り。
2.2621買い→2.3340売りclose→2.3495売り→2.3200買いclose→2.3615売り→2.3372買いclose→2.4645売り→2.4489買いclose→2.4566売り→2.4326買いclose→2.4208買い→2.4235売りclose→2.3644買い→2.3862売りclose様子見
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各通貨別チャートは新外為の森ホームページよりもご覧になれますのでご参照ください。
新外為の森 http://kentish.fc2web.com★ 本ペットチャートでは3段階分散投資をお勧めしています、常に少なめからの始動をお願い致します。最終的な投資・運用の判断はご自身の責任で行って下さい。HPより各通貨別のチャートをご覧いただけます。
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