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鈴木郁雄の実践・為替ストラテジー

初雪や115円〜120円のレンジ相場かな?

積もらなければ雪ではない。

積もらなければ雪ではない。

昨日は税金の申告最終日でしたね。日々原稿に追われている生活が続くと、大切な申告日も忘れがちでしたが、やっと重い腰を上げて税務署に参じました。臨時駐車場から満杯状態、そして臨時事務所も設けられているのですが、入室を制限されている始末、まるで病院の待合室並でしたね。結局、わからないポイントだけ聞いてポストに投函しました。少ない納税額ですが、一件落着であればと念じている次第です。
恥ずかしながら、10数年前に住宅を売却したときに、税金逃れの小細工した悪い思い出が甦ってきます。しかし、忘れた頃にやってくるのが追徴金です。その恐ろしさを知ると、脱税が割に合わないのが現実です。自ら申告しないと、びっくりするほどの重加算税が待っています。
今朝、ホリエモンの実刑判決が発表され2年半の実刑判決がでましたが、100億円以上の資産を抱えながら2年半の実刑判決に納得は出来ませんね。
その点では西武球団の誘惑に負けてしまいましたが、2人の若い野球人が自己申告した姿を評価してもよいかもしれません。

▲昨日の米経済指標がまちまちであり、市場参加者も状況判断の難しさに直面している相場展開である。1円や2円の相場の上げ下げが生じると、安易にキャリートレードの解消や再燃が報じられているが、リスク面から捉えると、総体的にはキャリートレードの解消も途上と見るほうが賢明であろう。キャリートレード再燃にはドル円のレベルが115円割れを生じなければ、投資家心理としても積極的な円売り現象『円キャリー』が拡大する状況にはならないと判断するが、1%にも満たない超低金利政策が存続する限りは、円キャリーの話題が尽きないのも事実であろうが、円安の天井感を覚えたマーケットではある。
一方では、喉もと過ぎれば、今回のサブプライム問題を楽観視する見方もあるが、昨日のグリーンスパン前FRB議長が言うように10%の住宅価格の上昇があればサブプライム問題は解決するほど単純構造ではないだろう。現状でミニバブル崩壊が確認されている以上は軽視できない側面があり、同時にサブプライムローンの焦げ付きも不良債権化している事実もあるため、当面は米ドルのロングは控えることがベストな対策であろう。
今の為替相場は株式相場に連鎖反応する状況が続いているが、落とし所を探る難しさはあるが、潜在的には世界同時株安の影響が尾を引いており、株価上昇に一抹の不安がある以上、端的に言えば株安・円高が優勢と考えるのが順当であろう。いずれにしても、株式市場の推移を横目に為替市場の推移を図ることに無理があるように、株価連動の為替相場の賞味期限も早まると判断し、相場の一つのファッションとして捉えても良いだろう。
ドル円117円台半ば以上の売りを推奨するが、不透明な米経済を背景にして、ポジション縮小の動きも散見されるため、116円台半ばを中心とした買い意欲も健在と判断し、同レベルの買いで様子見を勧める。

▲一見単純な為替相場ではあるが、このように短期間で様々な変動要因が生じると予測不能の状態に陥ることも認識すべきである。おそらく方向感が右往左往する展開は避けられないだけに、予め決められたレンジ相場をイメージした戦略で臨む事を勧める。中期的にはドル円115~120円とワイドレンジとなるが、相場の乱高下を見せた直後でもあり、相場自体が一気に加速する状況ではないと判断し、安全思考になるが116~119円のレンジ幅で臨めば、リスクも限定的になるだろう。現状では米ドルの上値の重さから判断して、116~118のレンジ幅でもリスクは限定的であり、売り急ぎや買い急ぎを控えた選択肢が賢明である。
▲ユーロドルが東京市場の朝方から1.3230前後から1.3280まで急上昇しているが、ドル円の動きを見ても穏やかなように、円キャリーの思惑買いとは見えないが、不穏な投機筋の動きには注意を払いたい状況である。 おそらく、一過性のユーロドル買いと思われるが、1.33前後のオプショントリガーとストップロスを意識する状況ではあるが、1.33前後の売りであればリスクも限定と判断して、同レベルの売りを勧める。ただし、1.3310以上にはすロスカットの準備は必要である。そして、今後の戦略性を高める意味でも、今日のユーロドルの上昇起点でもある1.3230レベルをマークすることを勧める。


プロフィール

鈴木郁雄

Ikuo Suzuki

ケンティッシュジャパン代表

オーバーシーズユニオン銀行入行後、フランスの3大銀行のひとつであるソシエテジェネル銀行東京支店に勤務、外国資金本部長として20年間のディーリング経験を持ち、為替のみならず今話題のデリバティブ業務を日本に導入し、ディーリング部門を統括し、多大な成果を挙げる。01年10月為替投資顧問会社ケンティッシュ ジャパンを設立、今現在も邦銀大手ならびにロンドン・ニューヨークなどの外銀ディーラーとの親密な情報交換し、投資家心理を加えた独自の分析には定評がある。

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