円キャリートレードの花吹雪・・・終点が見えない?
三寒四温の時ですが、東京では桜開花予想が3月18日と偉く早いですね。そうなると4月のはじめには葉桜なんてことになるのでしょうか? 円キャリートレードの花吹雪が舞ってから、一週間が経過しますが、簡単には収まりがつかないですね。
外国為替証拠金取引の誕生以来、キャリトレードの華が開きっぱなし状態でしたので、今回のキャリートレードの解消劇がこの程度で済めば、御の字だと思います。
為替にエルニーヨ現象を期待している評論家もいるようですが、ドル円80円または150円と言っている段階は可愛いですが、どうせ恥をかくならば、50円と200円説を唱えた方がインパクトはありますね。早い者勝ち!
▼株価も回復基調に転じており、為替もドル円117円台に乗せたことからも、総じて、見直し気分の強い相場になると思われる。昨日のユーロ金利も想定された通り0.25%の利上げではあったがマーケットの反応はなく、ユーロドルのレンジ幅での動きが強調された相場である。次回の利上げには不透明さが残る印象を受けた内容であり、ユーロドルの上値を抑える要因が増している状況である。一方では、欧州圏での物価上昇懸念が問われており、再利上げの可能性は否定できないが、ユーロ圏諸国では今回の利上げに関しても賛否両論が浮上しており、次の利上げの段取りが見えてこないのも実状であろう。昨日は隣国である英金利が5.25%に据え置かれてはいるが、ユーロ圏諸国での物価意識の相違もあるが、相対的には円安と米ドル安のイメージが先行している相場であり、消去法からユーロドルの堅調さ強いられているのが現状と判断するが、総じて言うならば、欧州圏における購買力平価の観点からは食品、衣料などの日常品の価格が高騰しており、欧州圏内でも物議を呼んでいる模様である。 おそらく、日米から見た場合では異常な物価高の印象は拭えないところまで来ていると言っても過言ではなく、今回のキャリートレード巻き戻しで、弱冠ドル円及びユーロの上値が抑えられてはいるが、貿易不均衡の面からも、先に話題になったG7での円安論議が正当化される日も遠くはないかもしれない。
目先の為替相場の変動要因は株式市場によるところは大きいが、実際には原油価格高騰に始まり、各国金利動向、株価動向、そしてキャリートレード解消と資金の流動性が猫の目のように変わる相場であり、相場の難しさを痛感するが、当面はキャリートレードの進捗状況を探るしか良策はなく、ポジション整理と少な目のポジションで対応することが賢明と判断する。
★今晩は米雇用統計と貿易収支に集約される相場であるが、現実にはキャリートレードの影響が大であり、米経済指標では大きな変動は望めないと思われるが、リスク重視の面からは米経済指標の改善期待には反応薄と判断し、悪化材料に反応する相場と判断して、ドル円117円台半ばから後半の売りを勧める。ユーロドルは材料出尽くし感もあり、上値の重い展開が予想されるため、1.31台後半の売りを推奨するが、下値も1.31割れの状況を見てからでも遅くはなく、1.30台半ばまで視野に入れて臨む事を勧める。
いずれにしても、キャリートレード再開には時間を要するだけに、とりあえずは円売りを117円台から強行する地合ではないだろう。117円台ではポジション縮小を優先することが望ましく、ドル円117円台半ばからのドル円買いは自重することを勧める。