外国為替取引ニュースサイト

  1. トップページ
  2. >コラム・レポート
  3. >鈴木郁雄の実践・為替ストラテジー
  4. >キャリートレードの終点は115円、仕切り直しは120円?

コラム & レポート

バックナンバー

鈴木郁雄の実践・為替ストラテジー

キャリートレードの終点は115円、仕切り直しは120円?

FX相場止まらない!自分で休む事はいつでもできる。

FX相場止まらない!自分で休む事はいつでもできる。

この2週間、右ひじに痛みが走り、パソコン操作に支障をきたしている。インターネットで調べると、パソコンの使いすぎ?と素人診断が下る。昨日、整形外科のお世話になりましたが、要はテニス肘と同じ現象であり、一種の腱鞘炎らしい。医者も同意見。しかし、治療法は単に湿布して休ませることしかない。為替も休み休みがいいですね。頭脳は使えば使うほど明晰になるようですが、為替にも鈍感力が必要です。忘れることも勝利に繋がります。毎日為替の夢を見るようになったら即休憩を!

●米国経済の不透明さにはある程度は対応可能な市場であるが、中国の不可解な動きには市場も右往左往するしかないのが現状のようです。降って沸いたような状況は突然起こるのが常であるが、中国発となると雨が降っても地が固まるとは言い難い。キャリートレード自体の魅力と怖さが露呈したが、もう一段の円高になれば、キャリートレード再開が可能になるが、再度仕込む方には115円の円高なら、黙って円キャリー再開でしょう。そして、120円で仕切り直しに軍配があがりそうです。
●想定以上にストップロスの嵐が吹き捲っている相場展開である。 おそらくテクニカル分析では円全体のサポートを超えており、ドル円及びクロス円に買いシグナルが発生しても不思議ではないだろう。 但し、一つの大きな転換期でもあり、安易にテクニカル分析に頼る思考は避ける局面である。先ずは、人段落するまで様子見に徹することを優先し、ポジションの縮小が先決であろう。次の展開を探る意味でも余裕あるポジション作りが必要である。
●補足的ではあるが、外国証拠金取引開始以来、キャリートレードの戦法自体を積極的に取り入れることは一般投資家にとっては必須条件であるが、ドル円、ユーロドル相場が掌握できないとクロス円取引の恐さが露呈するだろう。それだけ、クロス円売買の複雑性を再認識する必要はあるだろう。中期的な思考に立つならば、ドル円117円台のロングはリスク限定と判断するが、短期トレードの発想のみでは117円台のロングではリスクは高まるだろう。クロス円にはドル円以上の負荷がかかると思われる。中短期のポジションシナリオを持つことがリスク軽減につながり、心理的にも積極的な売買を可能にさせてくれるだろう。
●相対的には、円キャリートレードの終焉と判断するのは時期尚早であるが、昨日は瞬間的にドル円が117円割れを垣間見せたことにより、117円前後の買い安心感がある相場である。下値リスクは依然としてあるが、117円前後のロングであれば、キャリートレード再開可能なレベルと判断し、中期的なロングを推奨できる局面である。スポットが117円台では、1年後の採算分岐点113円台、2年後に110円割れの状況をイメージできるだけに、117円台から115円までの買い下がりに妙味が生じるだろう。しかしながら、前述したようにクロス円に関しては、安心できるレベルではなく、貿易不均衡と購買力平価の面からは下げ余地が大きいだけに、少なめのポジションで対応することが賢明であろう。
とりあえずは、現状の流れを掴むことが肝心であり、ジタバタせずに安易な売買を繰返さないことが要求される。

★本日は、ドル円117円前後からの買い始動を勧めるが、ポジション解消の動きが収まらない状態であり、分散投資の概念を持って、少な目の始動が賢明であろう。売りは利益確定買いと損切りを想定しても、118円前後にターゲットを置くしかないが、ポジション整理の段階であり、積極的な売りを行使する状況ではないだろう。118円台前半からの売りを勧める。
先ずは株式市場の回復を待ってからの円売りを摸索することを勧めるが、一歩も二歩も下がって相場も見守ることが必要な時でもある。

●2日間に渡って狼狽した売買が散見されたが、従来であれば、損切りも一巡し、反発局面迎えることになるが、キャリートレードの規模と実体が定かではなく、当局が懸念していたキャリートレードの解消が現実化している事は確かであろう。 しかし、昨日はキャリートレードの警鐘を鳴らした当事者である渡辺財務官がキャリートレードの解消は限定的と述べてはいるが、円キャリートレードの規模が1兆ドルではなく数十兆円に近いとコメントしているように、必ずしも、リスクは限定的ではない証でもある。マーケットの混乱を防ぐコメントでもあり、円金利の正常化を急ぎたい当局としても、今後の金融政策にも弊害を及ぼすため、予断は許せない状況には変わりがない。いずれにしても、過小評価された円の急反発でもあり、為替市場の適正水準を求めている相場と言えるだろう。ドル円115円程度までの円高を想定するぐらいの警戒意識をもって臨む事を勧める。

本日も株式市場が軟調であり、キャリートレード解消懸念を念頭に始動することが賢明であろう。ユーロドルは今回の円高局面では上値の重さを感じさせる展開である、米ドル売りが加速している状況ではなく、円金利との格差を背景にすれば、円キャリトレードの火種は簡単には消えないため、先ずは円の落ち着きどころを摸索することが先決である。1.3100〜1.3250レンジ相場で臨む事を勧める。



プロフィール

鈴木郁雄

Ikuo Suzuki

ケンティッシュジャパン代表

オーバーシーズユニオン銀行入行後、フランスの3大銀行のひとつであるソシエテジェネル銀行東京支店に勤務、外国資金本部長として20年間のディーリング経験を持ち、為替のみならず今話題のデリバティブ業務を日本に導入し、ディーリング部門を統括し、多大な成果を挙げる。01年10月為替投資顧問会社ケンティッシュ ジャパンを設立、今現在も邦銀大手ならびにロンドン・ニューヨークなどの外銀ディーラーとの親密な情報交換し、投資家心理を加えた独自の分析には定評がある。

ニュースクラウド