金利は沈静化、円キャリーの終焉は見えては来ないが。近いかもzzzzz・
本邦の0.25%の利上げでは大勢は変わらず、円安の歯止めにはならない見解が多数を占めている。 先週の利上げ実施を挟みながら、この2週間では円高と円安を繰り返し、結局は相殺された恰好で終了した市場ではある。
今週もキャリートレードの話題が中心になる相場展開が予想されるが、内外からも超低金利政策を持続する必要性と円安ジレンマが交錯しており、矛盾を感じさせる相場環境とも言えるだろう。日本経済のデフレ対策が万全ではないこともあり、即座に追加利上げに望みを託すことができない背景もあるが、金利面においての絶対的格差がある限りは、今後も瞬間的な円高局面が生じても、円安に反転する地合が浸透しているマーケットである。それゆえに、円買い材料の出尽くし感と共に、機関投資家を通じて、下値限定と判断する市場参加者が確実に増える傾向があるが、裏を返せば、無為無策な円安シナリオに対しては円高対策を講じる時期でもある。いずれにしても、円が買われる材料が乏しい状況は続くが、円キャリーの手仕舞いを想定しながら、円高への切り返しを懸念しなければならない相場である。積極策よりは防衛策(リスク回避対策)に専念する相場であろう。
▼今週も米GDPなどの米経済指標に注目せざるを得ないが、バーナンキFRB議長を筆頭に要人発言の一言一句に相場が左右される展開も予想され、動きづらい展開ではあるが、
ドル円121円+ユーロ円159円と合計280円にまで達したグローバルな円安局面にはバイアスがかかり易い状況であることを再認識することも必要である。未だに円安の天井感が見えては来ないが、実質的な購買力平価から判断すれば、クロス円に対しては過小評価された円と判断するが、問題点は米ドル安と円安が同時進行していることにあり、欧州勢の不満にも繋がっているのだろう。ユーロ円を筆頭にして、クロス円全体にも波及している円安批判がさらに厳しくなる恐れはあるだろう。先のG‘7における円安批判も中国人民元の切り上げを楯にして、表面的には吸収された問題であるが、米国容認の円安レベルにも限界が生じる日も遠くはないだろう。
▼今後も、機関投資家の円売り攻勢が続くと思われるが、超低金利継続が本邦並びに海外投資家にとっては、円キャリートレードは、依然として、魅力ある投資対象の一貫ではある。超低金利政策が世界株高の片棒を担いでいるとなれば、一方的に円安批判も出来ない裏事情があるだろう。 日米欧とも柔軟性を命題にして、健全な為替相場のあり方を摸索しているが、ユーロ誕生以来、為替相場の構造変化が起きており、また、急成長を続けるBRICsの台頭により、不安定な為替市場が続くが、反面、日米欧を代表する主要3大通貨の重要性が再認識される時でもある。
▼シカゴIMM先物通貨(投機筋)にも動揺が見られる。 為替相場の縮図とは言い難いけれども、方向間の定まらない時には注視しなければならない数字である。円ショートも縮小しているが、依然として10万枚台をキープしており、同時にユーロロングもほぼ10万枚に接近中と一触即発ムードはある。そして、他の通貨も危険水域である6万枚前後を右往左往しており、投機筋の動向にも迷いが生じているのだろうが、少な目のポジションで乗り切るしか良策はないだろう。
▼****今週のペットでも判る簡単チャート(事前予測実施中)****
作成年月日 2007年2月25日(日)週末の終値ベース
先週は米ドルの売られすぎの傾向があったが、今週は早くも総体的にはニュートラルなレベルまで盛り返している。 本チャートを週末に1回更新をしているが、各通貨に対する円動向が不安定な局面であり、相場の急変を見越した応用が必要になっています。週途中でも売買シグナルがしばしば発生するため、クロス円に大きな変動が生じた際には、各通貨別チャートで検証してください。ちなみにドル円に関しては121円台後半では強めのドル円の売りシグナルにはなるが、ユーロドルは1.32前後では売りシグナルを暗示させている。
●新外為の森 US$チャート(ユーロドル/ドル円)米ドルの強弱関係⇒米ドル弱めの売り
▼ドル円 (ユーロドル⇔ユーロ円)平均乖離幅0.1000 現状乖離幅0.1227→0.1319)ユーロから探るドル円相場
先々週は121.70の強い売りシグナルから、先週は弱い売りシグナル119.35(買戻しも検討)が点灯していたが、今週は再び通常の売りシグナル121.00円が点灯している。 次の強い売りシグナルは121.50以上からのナンピン売りに妙味は生じる。
今週の乖離幅の試算=ユーロドル1.3142=ユーロ円156.85→(0.7609−0.6382=0.1227) 過去の週間ごとの乖離幅と売買シグナルは以下の通り。
0.1234(116.60売り)→0.0870(113.80買いclose)→0.1133(116.50売り)→0.0958(114.00買いclose) →0.1095(116.15売り)→0.0982(114.45買いclose)→0.1177(117.60売り)→0.1111(116.55買いclose)→0.1314(119.65売り)→0.994(115.85買いclose)→0.1308(120.35売り)→0.1370(121.50売り)→0.1345(121.10売り)→0.1371(121.70円売り強め→0.1227(119.35売り弱め買戻し検討)
▼ユーロドル(ドル円−ユーロ円)平均乖離幅33円 現状乖離幅37.50→38.35円)
先週は売りシグナル1.3142が点灯しており、今週は引き続き売りシグナル1.3169が点灯している。目先は1.32前後強い売りシグナルが焦点になる。過去の週間ごとの売買シグナルは以下の通り。
1.1940売り→1.1878買いclose→1.2045売り→1.1911買いclose→1.2190売り→1.2030買いclose→1.2269売り→1.2096買いclose→1.2729売り→1.2510買いclose→1.2875売り→1.2511買いclose→1.3095売り→1.3335売り→1.3081売り継続→1.3005売り(一部買戻し)→1.2875買いclose→1.2964様子見→1.3007弱い売り→1.3142売り
▲豪ドル(ドル円−豪ドル円 平均乖離幅28円 現状乖離幅(25.40→25.20円)
先週の弱い売りシグナル0.7872からは、大差は見られず、今週も弱い売りシグナル0.7917が点灯しているが、通常の売りレベルである0.7950以上まで待機することも検討したい。過去の週間ごとの売買シグナルは以下の通り。
0.7318買い→0.7676売りclose→0.7537買い→0.7420買い→0.7509売りclose→0.7887売り→0.7787買いclose→0.7835売り→0.7898売り→0.7737買いclose→0.7750弱い買い→0.7872弱い売りへ
▲NZドル(ドル円−NZ円 平均乖離幅38円 現状乖離幅36.10→35.50円)
先週は売りシグナル0.6975が点灯していたが、週半ばでポジション解消の買いが点灯したが、再び弱めの売りシグナル0.7066が点灯しているが、乖離幅としては不充分であり、様子見で次の展開を待つことも可能。過去の週間ごとの売買シグナルは以下の通り。
0.6082買い→0.6422売りclose→0.6179買い→0.6395買い→0.6550売りclose→0.6375買い→0.6615売りclose→0.6530買い→0.6680売りclose→0.7046売り→0.6876買いclose→0.6963様子見→0.6828買い→0.6975売りclose
▲カナダドル(ドル円−カナダ円 平均乖離幅14円 現状乖離幅16.70→16.65円)
急劇に解離幅の縮小が進んでいる。最近の強い売りシグナルが1.1855から始まり、先週の売りシグナル1.1627まで短期間の調整局面が見られる。今週も引き続き売りシグナル1.1596が点灯しているが、一部ポジション解消の買いも検討。過去週間ごとの売買シグナルは下記の通り。
1.1099買い→1.1376売りclose→1.1088買い→1.1298売りclose→1.1195買い→1.1258売りclose→1.1379売り→1.1262買いclose→1.1195買い→1.1297売りclose→1.1578売り→1.1725売り←1.1802売り→1.1855強い売り→1.1719売り→1.1627売り。
▲ポンド(ドル円x2−£円 平均乖基準離幅20円 現状乖離幅5.90→4.40円)
ドル円121x2=242.00−ポンド円237.60=乖離幅4.40円
先週は弱めの売りシグナル1.9506が点灯していたが、週半ばで解消局面を迎えており、レベル的には再上昇を見せているが、今週は1.9636では様子見レベルに近い。過去数週間の経緯は以下の通り。
1.9808売り→1.9553売り継続→1.9597売り継続→1.9300一部買戻し→1.9291買いclose→1.9736売り→1.1966売り→1.9499買いclose→1.9506売り弱め。
▲スイスフラン(ドル円−スイス円 平均乖離幅23円 現状乖離幅22.70→22.85円)
引き続き様子見が続いている。先週は1.2364の様子見から動きは見られず、今週も1.2328の様子見である。過去の週間ごとの売買シグナルは以下の通り。
1.1981買い→1.2432売りclose→1.2333買い→1.2552売りclose→1.2366買い→1.2509買い→1.2606売りclose→1.2728売り→1.2594買いclose→1.2491買い→1.2533売りclose→1.2093買い→1.1933買い→1.2354売りclose→1.2532売り弱め→1.2478買いclose→1.2476様子見→1.2364様子見
★豪ドル円/NZドル円裁定取引(平均基準乖離幅10.00円 現状乖離幅10.70→10.30円)
先週の様子見に引き続き、今週も様子見状態が継続中、過去の乖離幅は以下の通り。
14.60→16.00→13.00→15.35→16.00→15.40→14.90→17.10→15.40→13.90→10.55→9.90→11.20→10.75→12.40→11.75→12.25→12.40→11.65→10.85→9.95円→10.80←11.20→11.45→9.40→11.30→11.40→10.70円
▲単純加算方式 ユーロ円+ドル円(260円以下は円高&270円以上は円安の目安)
過去の月平均は2月258.80 3月257.83 4月260.42 5月255.44 6月259.28 7月262.43 8月263.61円 9月266.51円 10月268.38円 11月268.68、12月273.05円。2007年度1月平均275.78円。2月の週間推移は第一週はドル円121.10+157.00=278.10、第二週はドル円121.70+158.30=280円と280円台に突入。第三週先週はドル円119.35+ユーロ円156.85=276.20円と調整が見られるが、今週はドル円121.00+159.35=280.35円と超円安模様。今後の円キャリートレードにも転換時期が訪れる兆しである。
● 欧州通貨ペア
▲ユーロポンド『平均乖離70円 現状乖離幅75.95→78.25円』
先週の売りシグナル0.6738から今週も引き続き売りシグナル0.6707が点灯している。過去の売買シグナルは以下の通り。
0.6974売り→0.6748買いclose→0.6818売り→0.6737買いclose→0.6795売り→0.6735買いclose→0.6775売り→0.6701買いclose→0.6567弱い買い→0.6590売りclose→0.6592様子見→0.6671売り弱め→0.6738売り
▲ユーロスイス『平均乖離54円 現状乖離幅60.20→61.20円』
しばらく様子見が継続している。先週の1.6229の様子見から、今週も引き続き1.6235で様子見が点灯中。
週間ごとの売買シグナルは以下の通り。1.5811売り→1.5607買いclose→1.5815売り→1.5905売り→1.5945売り→1.5835買いclose→1.5901様子見→1.6010様子見→1.6088様子見→1.6119様子見→1.6189様子見→1.6177様子見→1.6228様子見→1.6229様子見
▲ポンドスイス『平均乖離35円 現状乖離幅39.50→41.30円』
先週の様子見2.4087から、今週は上昇を見せているが買いシグナル2.4208が点灯している。過去の週間ごとの推移は以下の通り。
2.2641買い→2.2846売りclose→2.2670買い→2.2795売りclose→2.2694買い→2.2865売りclose→2.2651買い→2,2779売りclose→2.2621買い→2.3340売りclose→2.3495売り→2.3200買いclose→2.3615売り→2.3824売り継続→2.3372買いclose→2.4645売り→2.4489買いclose→2.4566売り→2.4326買いclose→2.4087様子見
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各通貨別チャートは新外為の森ホームページよりご覧になれますので、ご参照ください。
新外為の森 http://kentish.fc2web.com
★ 本ペットチャートでは3段階分散投資をお勧めしています、常に少なめからの始動をお願い致します。最終的な投資・運用の判断はご自身の責任で行って下さい。HPより各通貨別のチャートをご覧いただけます。
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