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鈴木郁雄の実践・為替ストラテジー

21世紀のキャリートレードへ!期待感と恐怖感? ホドホドに!

まだ、無反応な無線ランです。

まだ、無反応な無線ランです。

先週ノートパソコン(ウィンドウビスタ搭載)を購入したが、既存のPCと併用するために無線LANランを試みたが、二進も三進もいかない。結局は専門家のご指導に頼るしかありません。どんなに優秀な解説書と説明書き付属していても、おのれの能力の限界を超えた分野になると、専門家に頼るしかありません。数年前から比べれば、パソコン用語の知識は増えてはいますが、事が起こるたびに、所詮は上辺の知識であることを再認識させられます。しかし、悶々と考えているよりは、やはり、専門家に聞くことが一番ですね。それに比べたら、為替知識を習得することはそれほど難しいことはありません。しかし、為替はパソコンのトラブルシューティングでは解決できない面が多すぎます。キャリートレードの天井が見えてこない以上は控え目なトレードに専念する事が賢明でしょうが、目先の利益や新商品に心が奪われるのは人間の貪欲さの象徴なのかもしれませんが、一喜一憂する相場観では勝ち抜けない市場です。一歩下がって市場を観察する余裕が必要ですが、ホドホドが何事にも賢明だと痛感する次第です。

●利上げ直後から円安が更に加速する状況であり、金利格差の縮小が限定的と判断した円キャリートレードの勢いが止まりそうにない。国内でも外債投資に拍車がかかり、海外におけるファンド系の円キャリートレードも拡大しており、世界的な低金利の中で金利格差生じている現状では、円売りに対する危機感が薄れている市場と言えるだろうが、それだけ不自然さも感じさせるマーケットでもある。当面は利上げと言う即効性のある武器が封じられている以上は、円キャリーの拡大基調は否定できないが、同時に、一方通行の流れに懸念を生じさせ、瞬間的なキャリートレードの巻き戻しには注意を払いたい。
本邦機関投資家の円キャリートレードの概念は中長期保有が主体であり、また、商品一つ一つの規模も大きく、容易にポジションの反転が出来ない要素があるため、キャリートレードの解消懸念は少ないと思われるが、海外のヘッジファンド系は、現物の投資金額は小規模ではあるが、リバレッジを多用する手法であり、常時、自由自在にポジションの入れ替えは可能であるため、海外発のキャリートレード解消の動きには警戒を要する。

▼市場はドル円122円、ユーロ円160円に迫る状況であるが、リスクが増大している局面であることには間違いなく、ストップロスやオプションによる防衛策も強いられているのが現状である。 総じて、円ショートのマグマが蓄積している以上は、常に円高対策は必要になるが、仮にキャリートレードの解消の波が押し寄せても、1日で200ポイント以上の動きを見ることは稀有であろう。一部では過去の統計から判断して、プラザ合意や80円割れの超円高、そして、LTCM破綻時の円高局面を想定する評論家もいるが、短期間での20〜30円の円高を論じる時代は終わっている。 現代の為替相場の形態では瞬時に300ポイント以上の乱高下はありえないと見るのが順当であり、一般投資家サイドでも、それなりのストップロスの対策を講じることを優先すべき市場である。

★基本的には円売りを推奨できるレベルではないが、本邦機関投資家の外債投資にも蔭りが見られず、ドル円の下値は堅調と判断するが、あくまでも段階的な円売り局面でもあり、ある程度のレンジ幅を想定した売買を勧めるが、為替のプロであれば、投資金額を増額して、5銭、10銭の勝負に徹する地合である。要は情報不足の一般投資家が参加するには難易度が高い相場であり、現状から少なくとも50ポイント以上はなしたレベルで注視することを勧める。ドル円122円台の売りと121円割れの状況を待ってからの始動が賢明であろう。 ユーロドルもメリハリがない状況であり、1.31割れでは根強い買いも散見されており、1.310の買いと1.31台後半の売りを推奨する。動きが生じてからの始動に徹することを勧める。


プロフィール

鈴木郁雄

Ikuo Suzuki

ケンティッシュジャパン代表

オーバーシーズユニオン銀行入行後、フランスの3大銀行のひとつであるソシエテジェネル銀行東京支店に勤務、外国資金本部長として20年間のディーリング経験を持ち、為替のみならず今話題のデリバティブ業務を日本に導入し、ディーリング部門を統括し、多大な成果を挙げる。01年10月為替投資顧問会社ケンティッシュ ジャパンを設立、今現在も邦銀大手ならびにロンドン・ニューヨークなどの外銀ディーラーとの親密な情報交換し、投資家心理を加えた独自の分析には定評がある。

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