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鈴木郁雄の実践・為替ストラテジー

天気予報も為替相場も50%!

昨日は突然の雷と豪雨に会い、外出先で立ち往生、天気予報は気象庁の統計でも当たる確率は50%を割るとも聞く。何故か為替相場の売買確率と類似している。相互関係で言えばチャート分析とギャンブルの仕組みなのかもしれません。チャート(グラフ)をつけていても最終的には判断する人のセンスが要求されるとなれば、テクニカル分析は自己の相場感の補佐してくれるものでもあり、最終的には自己判断の誤りは訂正してくれない。
天気予報も雨の確率50%という予報では米国の経済指標の予想と変わりがないが、土砂降りの雨、雷が予想されるマーケットには傘も役に立たない、様子見も為替市場においては大事な見極めの一つである。

●先週は米経済指標の好調さが米ドルを後押し、全面高の様相を呈していたが、乱高下を繰り返す相場を単純に捉えれば、米ドル上昇材料が、出尽くしたと言う見解も浮上する週である。状況的には米経済指標の改善期待が膨れるところであるが、現実的には難しい状勢といえる段階であり、経済指標の腰折れを待つ展開が為替相場には有効であると思われる。グリーンスパンFRB議長の退任は別に新鮮味はなくとも、今後の金利誘導には波紋を投げかけることは必至でもあり、またFFレートが微妙な段階だけに、当面は憶測めいた報道がマーケットを揺さぶる可能性は否定できないが、特に重視するニュースではないとも言える。
▼決して好調な米経済とも思えない段階において、米ドルの上昇も限られるところであるが、現状のユーロ圏の経済低迷が後押している米ドル高には力強さは感じられないのも事実であり、現状では一過性の米ドル高と見る方が賢明であり、たとえ今後も経済指標に良化が見られても上昇力には限度が生ずるのは明白と言える。人民元の話題を背景にしても一方的な米ドル高だけを語れないのも至極当然なことである。
米国としても、一度は米ドル離れが進行し始めたが事を懸念し、要因を取り除くための利上げと米国の双子の赤字削減努力への姿勢を見せている段階だけに、現状での米ドル全面高には不安要素が多分にあると言える。
現状ではユーロ経済の低迷が米ドルに寄与している段階でもあり、単月の米経済指標だけでは、依然として信頼性の欠けるものと判断してよいだろう。
いずれにしても、人民元の話題が終了するまでは思考錯誤の展開は避けられず、米ドルの安定は求められないと見るのが順当であろう。むしろ日本経済の緩やかな安定を基準にした日本円基準の為替理念の方が、今後の相場展開を読み易くさせる。

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プロフィール

鈴木郁雄

Ikuo Suzuki

ケンティッシュジャパン代表

オーバーシーズユニオン銀行入行後、フランスの3大銀行のひとつであるソシエテジェネル銀行東京支店に勤務、外国資金本部長として20年間のディーリング経験を持ち、為替のみならず今話題のデリバティブ業務を日本に導入し、ディーリング部門を統括し、多大な成果を挙げる。01年10月為替投資顧問会社ケンティッシュ ジャパンを設立、今現在も邦銀大手ならびにロンドン・ニューヨークなどの外銀ディーラーとの親密な情報交換し、投資家心理を加えた独自の分析には定評がある。

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