G'7もトーンダウン気味。万全なリスク管理を!
レポートの合間に書籍本を執筆中であるが、依頼されてから1年以上経過してしまった。日々のレポートやセミナーを重ねるとごとに、本作りの難しさに直面しております。昨日も出版社と急遽打ち合わせがあり、再度見直しを開始しておりますが、投資家がFX相場に寄せる関心が高まっている事実を知ると、中途半端な本では満足されないと痛感している次第です。ちょっぴりいい訳もありますが、拍車をかけねばと自己反省もしておりますので、もうしばらく待ちください。
▼昨日のトリシェECB中銀総裁発言が3月の利上げを織り込んだ内容として、ユーロドルの下値が堅調に推移しているが、コメント自体は特に前回からは変化が見られない。
内容的にはインフレ懸念、先行きの景気見通し、そして、キャリートレードに対する懸念など幅広いコメントが見られたが、客観的に判断しても、少々支離滅裂な部分も見られる。それだけ、ユーロ圏の景況感を的確に判断する難しさもあるのだろうが、ECB中銀総裁としても、今後の金融政策の舵取りの難しさを露呈しているとも言える。反面、ユーロ圏内部からはユーロ高に対する不満も生じている以上は、利上げのタイミングにも神経質にならざるを得ないと判断するが、現状では3月の利上げ説も5分5分の見解が妥当と言えるだろう。
▼今回の円安論議も欧州勢からの不満分子からはじまり、一時はドル円120円割れを見せた展開ではあるが、今の為替相場は賞味期限が早く、G7への期待感が、いつものように失望感に変わりつつあり、再び金利格差が主役に踊り出る相場展開が見込まれているように、一時の円安論議もトーンダウンしているのが現状であろう。 米国が述べているように中国人民の早期切り上げがない限りは、円に対する圧力は限定的になり、同時に円キャリートレードの手仕舞い懸念から円高志向も根強いが、円の利上げ実施時期が不透明なだけに、円買いも一過性の出来事になってしまうのが現状である。迅速な売買も要求されるが、為替相場に打ち勝つためには中期的な見方を優先することが賢明である。
原油価格も60ドル台に乗せており、今までの原油価格の概念から判断しても、ユーロドルのロング志向が強まる傾向は否めないだろう。しかしながら、流動的な原油価格でもあり、以前のような過度な上昇期待は禁物であることから、ユーロドルの調整売りも1.30台半ば以上では散見される状況である。 昨日からユーロドル1.3050が上値の壁になっているが、同レベル以上からのロングは推奨できず、もう一段の上昇を見てからのユーロドル売りを勧める。レベル的には1.31前後が好ましいが、1.30台70~80のショートであればリスクは限定的と判断し、同レベルの売りを推奨する。
ドル円の円安論議もピークを過ぎた感があるが、G7における水面下の動きを警戒して臨むべきであり、ストップロスの配置には特に注意を払いたい。レンジ相場120.00〜122円をイメージして臨む事を勧める。