G7はお祭り行事から世界的キャリートレードの変貌も?
今週末に控えるG7財務相・中央銀行総裁会議の関係上、通常では思惑がらみの発言が多発することが予測されるが、意外にも過去のG7でも、開催される週になると要人発言もトーンダウンする傾向がある。おそらく、参加諸国としても、各国のトップ会談を配慮した上での見解なのであろう。G7において、円安問題が論議されることは避けられないだろうが、従来ならば人民元切り上げ問題が主役になるはずであるが、今回のG7に関しては、欧州勢からの円安問題が先行しており、水面下では対応策も検討すべき段階と論じられているように、一筋縄では行かない状況も考えられる。
★G7の問題意識としては、当然ながら超低金利の円キャリートレードが問われることになるが、本邦のみならず、世界的に波及している円キャリートレードとも言われており、今後も機関投資の円売りに拍車がかかり易い状況であり、ノーブレーキ状態で円安が暴走する恐れもあるが、燃料切れも早く、必ず巻き戻しが起きるのが、キャリートレードの実態であり、常に手仕舞いの準備態勢を整えることが得策かもしれない。日銀および財務相当局が牽制と警告を繰返しても、一向に収まりを見せていないのが円キャリートレードであるが、いずれにしても、追加利上げがなされない限りはドル円125円、そしてユーロ円160円までの可能性も帯びてくる。
▼2月の円金利の利上げも未だに流動的であるが、超低金利政策が本来の日銀の金融操作を不能にし、同時に円安、そして貿易不均衡の余波が一気に押し寄せるような悪循環も予想される。当局としても、デフレ懸念ばかりが先行している金融政策では利上げが先送りされ、円キャリートレードの弊害が今後の利上げを躊躇させることになり、利上げがキャリートレード解消の呼び水になる危険性もはらんでいるが、利上げのテンポはゆっくりとした展開にならざるを得ないだろう。
●古い話題になるが、1998年に起きた巨大ヘッジファンドであるLTCMの破綻も記憶に新しいところである。当時の破綻により、ドル円相場が135円から115円まで急落を見せたように円キャリートレードも大きな破綻要因の一つでもある。当時はロシア通貨危機と債券投資がアダとなり、また、レバレッジを最大限利用した円キャリートレードも大きな要因とされている。当時のヘッジファンドと現在のヘッジファンドとの質の相違があるが、当時のような通貨危機の懸念はないため、即座に5円も10円の円高局面になる相場ではないが、円キャリートレード解消の竜巻が発生すれば、段階的にはドル円110円の水準も考えられる。
★シカゴIMM通貨先物の円ショートが天井知らずの状況であるが、更に史上最高の円ショート170,000台の乗せており、先週も述べたが、想像以上に円キャリートレード促進している証でもある。表裏一体の円キャリートレードの状況から、判断に苦しむところであるが、円安の進行具合に歯止めがかかる恐れから、スワップ狙いだけの円キャリートレードの恐さも浮上している。同時に、機関投資家サイドも円高対応策として、オプション購入(ドル円及びクロス円のプット)も散見され始めており、一般投資家にとってはポジションの縮小を心掛けることが賢明であるが、さもなければ、ストップロス及び損切りシナリオの重要性を再考すべき時期でもある。(注:プットオプション購入とはドル円・クロス円の売りの権利購入)
▼*******今週のペットでも判る簡単チャート(事前予測実施中)*******
作成年月日2007年2月04日(日)週末の終値ベース
先週から米ドル売りが継続しているが、まだ不充分な米ドル売りである。チャート上では目先のターゲットはドル120円前半とユーロドル1.31前後を示している。ユーロ円自体は157円前後であり、現状と大差は見られなが、ドル円・ユーロドルに対して100ポイント程度の下落が生じたときにはポジション解消の米ドル買いが見込める。
円キャリートレードの影響もあり、円安懸念は続くが、G7’の円安批判と円の利上げが視野に入れば、更に、米ドル売りのポジション調整が生じる可能性はあるだろう。
●新外為の森 HP内US$チャート(ユーロドル/ドル円)米ドルの強弱⇒米ドル売り
▼ドル円(ユーロドル⇔ユーロ円)平均乖離幅0.1000 現状乖離幅0.1345←0.1370)
先週の強めの売りシグナル121.50円から、弱冠の円高を見せたが、今週も、未だに強めの売りシグナルが121.10円で点灯している。今週の乖離幅の試算=ユーロドル1.2964=ユーロ円157.00→(0.7714−0.6369=0.1345)過去の週間ごとの乖離幅と売買シグナルは以下の通り。 0.1234(116.60売り)→0.0870(113.80買い)→0.1133(116.50売り)→0.0958(114.00買い) →0.1095(116.15売り)→0.0982(114.45買い)→0.1153(117.25売り)→0.1177(117.60売り)→0.1111(116.55買い)→0.1314(119.65売り)→0.994(115.85買い)→0.1280(118.85売り)→0.1308(120.35売り)→0.1352(121.25売り)→0.1370(121.50円売り)
▼ユーロドル(ドル円−ユーロ円)平均乖離幅30円 現状乖離幅35.90←35.45円)
先週の様子見1.2918レベルからは動きは限定的であるが、今週は弱い売りシグナル1.2964が点灯している。過去の週間ごとの売買シグナルは以下の通り。
1.1940売り→1.1878買い→1.2045売り→1.1911買い→1.2190売り→1.2030買い→1.2269売り→1.2096買い→1.2729売り→1.2510買い→1.2875売り→1.2511買い→1.3095売り→1.3335売り→1.3081売り継続→1.3202売り継続→1.3005売り(一部買戻し)→1.2875買いclose→1.2961弱い売り→1.2918様子見
▲豪ドル(ドル円−豪ドル円 平均乖離幅28円 現状乖離幅(27.25←27.50円)
先週の弱い買いシグナル0.7737から、今週も先週と同様に弱い買いシグナル0.7750が点灯中。過去の週間ごとの売買シグナルは以下の通り。
0.7318買い→0.7432買い継続→→0.7676売り→0.7537買い→0.7420買い→0.7509売りclose様子見→0.7887売り→0.7838売り継続→0.7891売り継続→0.7787買いclose→0.7835売り→0.7898売り→0.7737売り弱め(買い戻しも可)
▲NZドル(ドル円−NZ円 平均乖離幅38円 現状乖離幅38.55←36.90円)
先週の0.6963の様子見から、値を下げているが今週も再度0.6817で様子見が継続している。過去の週間ごとの売買シグナルは以下の通り。
0.6082買い→0.6422売り→0.6179買い→0.6395買い→0.6550売り→0.6375買い→0.6615売り→0.6530買い→0.6680売り→0.7000売り→0.7046売り→0.6876買いclose→0.6905様子見→0.6953様子見→0.6963様子見
▲カナダドル(ドル円−カナダ円 平均乖離幅14円 現状乖離幅18.95←18.55円)
相変わらず強い売りシグナルが点灯している。先週の強い売りシグナル1.1802から、今週も警戒レベルの売りシグナル1.1855が点灯している。週間ごとの売買シグナルは下記の通り。1.1099買い→1.1229買い→1.1376売りclose様子見→1.1088買い→1.1207買い→1.1298売りclose→1.1195買い→1.1258売りclose→1.1379売り→1.1262買い→1.1195買い→1.1297売りclose→1.1578売り→1.1725売り→1.1726売り継続←1.1802売り。
▲ポンド(ドル円x2−£円 平均乖基準離幅20円 現状乖離幅4.05←4.85円)
ドル円121.10x2=242.20−ポンド円238.15=乖離幅4.05円
先週の弱めの売りシグナル1.9601から、通常の売りレベル1.666が点灯している。
過去数週間の経緯は以下の通り。1.9808売り→1.9553売り継続→1.9597売り継続→1.9300一部買戻し→1.9291買い→1.9736売り→1.9601売り弱め。
▲スイスフラン(ドル円−スイス円 平均乖離幅23円 現状乖離幅24.05←24.55円)
先週の弱めの売りシグナルが1.2532から、買戻し局面に接近中。今週はほぼ様子見レベル1.2478が点灯中。過去の週間ごとの売買シグナルは以下の通り。
1.1981買い→1.2306買い→1.2432売り→1.2333買い→1.2552売り→1.2366買い→1.2509買い→1.2606売り→1.2728売り→1.2594買い→1.2491買い→1.2533売り→1.2093買い→1.1933買い→1.2354売りclose→1.2532売り弱め
★豪ドル円/NZドル円裁定取引(平均基準乖離幅10.00円 現状乖離幅11.40円)先週は利益確定の豪ドル円買い・NZ円売り局面に突入したが、今週もほぼ様子見レベルに位置している。過去の週間ごとの乖離幅経緯は以下の通り。14.90→17.15→15.40→13.90→10.55→9.90→11.20→10.75→12.40→11.75→11.90→12.25→12.40→11.65→11.55←10.85円→9.95円→10.80←11.20→11.45円→9.40円
▲単純加算方式 ユーロ円+ドル円(260円以下は円高&270円以上は円安の目安)
過去の経緯2月平均258.80 3月平均257.83 4月平均260.42 5月平均255.44 6月平均259.28 7月平均262.43円 8月263.61円 9月266.51円 10月268.38円 11月268.68、12月273.05円。新年度1月の推移は276円→272.85円→275.90円→278.40円。
先週はドル円121.50+ユーロ円156.95=278.45円と史上最高レベルの円安をキープしたが、今週はドル円121.10+157.00=278.10と依然として超円安をキープ中。
● 欧州通貨ペア
▲ユーロポンド『平均乖離70円 現状乖離幅82.15←81.20円』
先週は0.6590で弱い買いシグナルが点灯していたが、今週も同レベルの0.6592であるが基本的には様子見レベル。過去の売買シグナルは以下の通り。
0.6974売り→0.6748買い→0.6818売り→0.6737買い→0.6795売り→0.6735買い0.6775売り→0.6701買い→→0.6739様子見→0.6598弱い買い→0.6567弱い買い→0.6590売り様子見へ
▲ユーロスイス『平均乖離54円 現状乖離幅59.95←60.00円』
先週の1.6189の様子見から、今週も引き続き1.6177で様子見が点灯中。
週間ごとの売買シグナルは以下の通り。1.5811売り→1.5607買い→1.5815売り→1.5905売り→1.5945売り→1.5835買い→1.5901様子見→1.6010様子見→1.6088様子見→1.6068様子見→1.6119様子見→1.6189様子見
▲ポンドスイス『平均乖離35円 現状乖離幅44.05←44.25円』
先々週はポジション解消2.4489の買いに達したが、先週は再び2.4566の売りシグナルが点灯していたが、今週も引き続き売りシグナル2.4539が点灯している。過去の週間ごとの推移は以下の通り。2.2641買い→2.2846売り→2.2670買い→2.2795売り→2.2694買い→2.2865売り→2.2651買い→2,2779売り→2.2621買い→2.2683売り→2.3340売り→2.3495売り→2.3200買い→2.3615売り→2.3824売り→2.3372買い→2.3638様子見→2.3844様子見→2.4430売り→2.4645売り→2.4489買いclose→2.4566売り
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各通貨別チャートは新外為の森ホームページよりご覧になれますので、ご参照ください。
新外為の森
★本ペットチャートでは3段階分散投資をお勧めしています、常に少なめからの始動をお願いいたします。最終的な投資・運用の判断はご自身の責任で行って下さい。
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