米金利の上昇余地のころ僅か!ドルの戻り売りに配慮?
予想レンジ
ドル円 108.30〜109.50
ユーロ円 129.00~130.20
ユーロドル 1.1850〜1.1970
豪ドル円 83.80〜85.00
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FRBがパンデミック対策としていた金融機関向けの補完的レバレッジ比率(SLR)の緩和措置を今月一杯で終了する旨が発表されたことを受けて、米10年債利回りが1.75%近辺まで上昇を速めている。金融機関が自己資本比率を維持するためには保有国債を売却する可能性が高く、米金利の上昇につながっている。ただ、コロナ禍における長期金利の上昇は副作用を多分に含んでおり、一過性との見方も少なくなく、拙速的にドルを買い戻すには時期尚早と言わざるを得ない。また、注目された米中両国の高官協議が非難の応酬となり、改めて米中対立の激化が意識されており、相対的にポジションの手仕舞いが優先されやすい外部環境にあるため、引き続き相場が動意づくまでは静観するのが一考であろう。
一方、ドル円はドル円109円前後で試行錯誤が続いているが、米金利の優位性を背景に下値は限定的である反面、ドル円110円前後では実需並びに利益確定売り、そして、リスク回避の円買い志向も健在であり、狭いレンジ相場と化している。引き続きレンジ幅ドル円108.50〜109.70円を重視し、同レベル前後からナンピン売買が賢明であろう。
他方、ユーロドルは心理的節目の1.20目前で失速、改めて上値の重さが意識されている。米金利の上昇やワクチン展開の遅れがユーロの圧迫要因になっているが、米中覇権争いへの警戒感も強く、リスク回避のユーロ買い戻しも随所に散見されており、ドル円と同様に、下値トライは慎重になっている。引き続きレンジ幅ユーロドル1.1850〜1.1970を重視し、同レベル前後からナンピン売買が賢明であろう。