“キャリートレード=クロス円からドル円へ!”
先週は日銀金融政策決定会合の動向に注目が集中したものの、結果的には不甲斐ない政府と日銀とのやり取りに終始されてしまったが、相変わらず,金利格差による円安懸念が根底にあるだけに、今週も円キャリートレードに対する注意が必要である。ここしばらくの間、米経済の減速懸念が報じられていた関係上、高金利でもある米ドルに対しては、円キャリートレードの組み入れが停滞気味ではあったが、年初から米経済の順調なソフトランディングが視野に入り、今までの円キャリートレードの矛先が他のクロス円から対米ドルに転化しても不思議でなく、同時にユーロドル及びポンドそしてオセアニア通貨の軟調の兆しを見せれば、心理的には米ドル買いの意欲が高まる相場である。一連の米経済指標の改善傾向も米ドルに寄与しており、当面は120円台の下値が堅調と言わざるを得ないだろう。繰り返しになるが、リスク分散による米ドル離れの状態から改善の兆しも散見され、円売りが極端にクロス円に集中していた展開から、改めて高金利通貨の本命でもある米ドルにシフトされる可能性も考慮したい。遅ればせながらも米ドルに対するキャリートレード志向も強まる傾向にあると言える。反面、過小評価と貿易不均衡が常に懸案でもある円安水準であり、円高圧力と背中あわせの状態でもあることから、今後も一喜一憂する相場展開は避けられそうにない。
▼月末にはFOMC政策金利が控えており、週末に向かっては再び米金利動向に注目される相場であるが、早くも利下げ後退観測から利上げ観測まで幅広い見解もあるが、米金利5.25%の水準から判断すれば、引き続き米ドルの堅調な推移が予想される。現段階では原油価格の続落が米ドルの押し上げ要因ではあり、同時にインフレ懸念が抑制される効果もあるが、米北東部への寒波襲来や中東情勢を見る限りは、原油価格も流動的な段階でもあり、米経済指標と同様に好悪混在の材料が目白押しになることが予想され、少なめのポジションで対応するしか良策はない。ユーロ金利もトリシェECB総裁のコメントもトーンダウンしており、日米欧とも金利動向に一服感が生じる地合では、米金利5.25%の優位性が先んじる相場ではある。
▼シカゴIMM通貨先物の推移も円ショートが再び警戒レベルとも言われる10万枚を優に突破している状態が続いており、心理的にも先週末138,146枚の円ショートの数字を見る限りは、前回のドル円の急降下(119円台後半→115円前後)をイメージさせられる環境ではある。しかしながら、先にも述べたように米ドルへのシフトと言う発想からでは、ユーロドル及び他の通貨のロングが後退する可能性が浮上しており、今回は容易に円ショートの縮小(円高)が加速する状況にはないだろうと判断する。ドル円120円前後の底堅さからも、ある意味ではドル円を仕込む時期としても面白い展開も期待できるだろう。ただし、ストップロスの配置には注意が必要であり、119.50前後のストップロスをイメージできれば、120円前後の買いに妙味が増すものと判断する。
*********今週のペットでも判る簡単チャート******
作成年月日2007年1月21日(日)週末の終値ベース事前予想実施中
米ドルの買戻しが堅調に推移しているが、相対的には今までの売られすぎの反動を見せている。もう一段の米ドル上昇を待ってからの米ドル売りに妙味が増している。当面は、米ドル売りターゲットをドル円及びユーロドルに照準を置くならば、ドル円122円前後の売りとユーロドル1.28台半ばの買いとなるが、現状レベルから米ドルナンピン売りも視野に入るだけに、少なめのボリュームであれば、現状レベルでも米ドル売りスタートさせることも可能である。
●新外為の森 US$チャート(ユーロドル/ドル円)米ドルの強弱を参照
▼ドル円(ユーロドル⇔ユーロ円)平均乖離幅0.1000 現状乖離幅0.1352←0.1308)
先週から弱冠強めの売りシグナル120.35円が点灯していたが、今週は更に強めの売りシグナル121.25円が点灯している。
今週の乖離幅の試算=ユーロドル1.2961=ユーロ円157.15→(0.7715−0.6363=0.1352)過去の週間ごとの乖離幅と売買シグナルは以下の通り。
0.1234(116.60売り)→0.0870(113.80買い)→0.1133(116.50売り)→0.0958(114.00買い) →0.1095(116.15売り)→0.0982(114.45買い)→0.1153(117.25売り)→0.1177(117.60売り)→0.1111(116.55買い)→0.1268(119円売り)→0.1314(119.65売り)→0.994(115.85買い)close→0.1280(118.85売り)→0.1210(119.00売り)→0.1308(120.35売り)
▼ユーロドル(ドル円−ユーロ円)平均乖離幅30円 現状乖離幅35.90←35.20円)
先週はポジション解消レベルに達しており、途中経過では1.28台後半ではポジション解消の買いシグナルが点灯していたが、先週末の1.2925の様子見から、今週は弱い売りシグナル1.2961が点灯している。 基本的には様子見段階のレベルである。過去の週間ごとの売買シグナルは以下の通り。
1.1940売り→1.1878買い→1.2045売り→1.1911買い→1.2190売り→1.2030買い→1.2269売り→1.2096買い→1.2627売り→1.2729売り→1.2510買い→1.2875売り→1.2511買い→1.2840売り→1.3095売り→1.3335売り→1.3081売り継続→1.3134売り継続→1.3202売り継続→1.3005売り(一部買戻し)→1.2875買いclose→1.2925様子見
▲豪ドル(ドル円−豪ドル円 平均乖離幅28円 現状乖離幅(25.50←26.05円)
先週は0.7835で弱めの売りシグナルが点灯中していたが、今週はノーマルな売りシグナル0.7897が点灯している。過去の週間ごとの売買シグナルは以下の通り。
0.7318買い→0.7432買い継続→→0.7676売り→0.7537買い→0.7420買い→0.7509売りclose様子見→0.7887売り→0.7838売り継続→0.7891売り継続→0.7787買いclose様子見→0.7835弱め売り
▲NZドル(ドル円−NZ円 平均乖離幅40円 現状乖離幅36.95←37.25円)
先週はポジション解消後から変化は見られず、0.6905で様子見であったが、今週も引き続き0.6953様子見が点灯している。過去の週間ごとの売買シグナルは以下の通り。
0.6082買い→0.6422売り→0.6179買い→0.6395買い→0.6550売り→0.6375買い→0.6615売り→0.6530買い→0.6680売りclose→0.6877売り→0.6894売り継続→0.7000売り→0.7046売り継続→0.6876買いclose→0.6905様子見
▲カナダドル(ドル円−カナダ円 平均乖離幅14円 現状乖離幅17.85←17.40円)
先週の売りシグナル1.1690から、今週も再び強い売りシグナル1.1726が点灯している。
週間ごとの売買シグナルは下記の通り。
1.1099買い→1.1229買い→1.1376売りclose様子見→1.1088買い→1.1207買い→1.1298売りclose→1.1195買い→1.1258売りclose→1.1379売り→1.1262買い→1.1195買い←1.1297売りclose→1.1466売り→1.1578売り→1.1655売り→1.1725売り←1.1690売り継続
▲ポンド(ドル円x2−£円 平均乖基準離幅20円 現状乖離幅3.20←4.95円)
ドル円121.25x2=242.50−ポンド円239.30=乖離幅3.20円
ポジション解消後から先週は弱めの売りシグナル1.9589が再点灯したが、今週は通常の売りシグナル1.9736が点灯している。 過去数週間の動きは1.9808売り→1.9553売り継続→1.9522売り継続→1.9597売り継続→1.9300売り(一部買戻し)→1.9291買い→1.9589売り弱め。乖離幅の経緯は以下の通り。
乖離幅が10円を割れから、ポンドの買われ過ぎが生じている。最近の乖離幅の経緯は16→13→17→21→17→10→13→15→17→14→17→15→13←11.70→10.70→12.30→7.70→2.20→5.20→4.90→4.80→8.30→4.95円。
▲スイスフラン(ドル円−スイス円 平均乖離幅23円 現状乖離幅24.15←23.85円)
先々週は1.2354の売りシグナルでポジション解消となったが、先週1.2472の様子見に引き続き、今週も1.2487で様子見が継続中である。過去の週間ごとの売買シグナルは以下の通り。1.1981買い→1.2306買い→1.2432売り→1.2333買い→1.2475買い→1.2552売りclose→1.2366買い→1.2509買い→1.2606売りClose→1.2728売り→1.2594買いclose→1.2491買い→1.2533売りclose→1.2418買い→1.2093買い→1.1933買い→1.2045買い→1.2212買い→1.2190買い継続中→1.2188買い→1.2354売りclose→1.2472様子見
★豪ドル円/NZドル円裁定取引(平均基準乖離幅10.00円 現状乖離幅11.45←11.20円)
先週の弱い豪ドル円売り・NZ円買いから、今週も同様なレベルの乖離幅である。現状ではオセアニ安通貨の変動率から判断しても、8円割れの状況か、または13円以上の乖離幅を目安に始動したい。過去の週間ごとの乖離幅経緯は次の通り。
9.30→10.80→11.80→13.95→14.60→16.00→15.45→13.00→14.40→15.35→16.00→15.40→14.90→17.15→15.40→13.90→10.55→9.90→11.20→10.75→12.40→11.75→11.90→12.25→12.40→11.65→11.55←10.85円→9.95円→10.80←11.20円。
▲単純加算方式 ユーロ円+ドル円(260円以下は円高&270円以上は円安の目安)
過去の経緯2月平均258.80 3月平均257.83 4月平均260.42 5月平均255.44 6月平均259.28 7月平均262.43円 8月263.61円 9月266.51円 10月268.38円 11月268.68、12月273.05円。新年度1月の推移は276円→272.85円→275.90円
今週はドル円121.25+ユーロ円157.15=278.40円と史上最高レベル。
● 欧州通貨ペア
▲ユーロポンド『平均乖離70円 現状乖離幅74.65→80.20円』
先週は0.6598で買いシグナルが点灯していたが、今週も0.6567で買いシグナルが点灯している。過去の売買シグナルは以下の通り。
0.6974売り→0.6748買い→0.6818売り→0.6737買い→0.6795売り→0.6735買い→0.6730様子見→0.6690様子見→0.6775売り→0.6732売り→0.6752売り継続→0.6701買い→0.6705様子見→0.6737様子見→0.6739様子見→0.6598弱い買い
▲ユーロスイス『平均乖離54円 現状乖離幅60.05←59.05円』
先週の1.6119の様子見に続き、今週も1.6184で様子見継続している。
週間ごとの売買シグナルは以下の通り。
1.5717売り→1.5811売り→1.5607買い→1.5726売り→1.5815売り→1.5905売り→1.5945売り→1.5835買いclose→1.5901様子見→1.5974様子見→1.6010様子見←1.6088様子見→1.6068様子見→1.6119様子見
▲ポンドスイス『平均乖離30円 現状乖離45.10←42.75円』
先週はポンドの利上げの関係もあり、2.4430で売りシグナルが点灯したが、今週は更に強めの売りシグナルが2.4645で点灯している。過去の週間ごとの推移は以下の通り。
2.2641買い→2.2846売り→2.2670買い→2.2795売り→2.2694買い→2.2865売り→2.2651買い→2,2779売り→2.2621買い→2.2683売り→2.3340売り→2.3495売り→2.3200買い→2.3615売り→2.3824売り→2.3372買い→2.3638様子見→2.3840様子見→2.3877様子見→2.3844様子見→2.4430売り。
*****************************
各通貨別チャートは新外為の森ホームページよりご覧になれますので、ご参照ください。
★本ペットチャートでは3段階分散投資をお勧めしています、常に少なめからの始動をお願いいたします。最終的な投資・運用の判断はご自身の責任で行って下さい。
*****************************