ワクチン開発期待に紆余曲折!?
予想レンジ
ドル円 103.50〜104.80
ユーロ円 125.50〜126.80
ユーロドル 1.2050〜1.2180
豪ドル円 76.50〜77.80
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先週末発表された米雇用統計は非農業部門雇用者数(NFP)が24.5万人増と予想を大きく下回り、労働参加率も低下するなど、総じて警戒感を強めざるを得ないが、失業率は予想通りに改善傾向を示すなど、米雇用統計の動向のみでは安易にポジションを取り切れない状況にある。ただ、全体的にはコロナ下における景気回復の鈍化傾向が意識されおり、逆に今回の冴えない数値を背景に、FRBは追加経済対策を余儀なくされる可能性が高く、結果的には株式市場の追い風になる可能性がある。とは言え、既に、米国株式市場では3万ドルの達成感と同時に、実体経済に伴った株価上昇とは言い難い状況にあるため、反動売りに警戒感を強めざるを得ない。一層神経質展開と見なした方が無難ではあるが、米ファイザー社が新型コロナワクチンの今年の出荷量を半分まで削減する旨を発表、ワクチン開発が市場に反映されるまでに、相当の時間を要するとの見方が支配的であり、市場全般の不透明感があるだけに、引き続き直近のレンジ幅で逆張り対応が一考であろう。
一方、ドル円は連日104円前後で膠着しており、ほぼ蚊帳の外状態にあるが、コロナウィルスの進捗状況とワクチン開発次第とも言えるが、相対的にはリスク回避の円買いが優勢になっている。ただ、米債券利回りの上昇を伴い、ドル買い戻しニーズも根強く、現時点では売り買いが拮抗している。引き続きレンジ幅ドル円103.50〜104.80円を重視し、同レベル前後からナンピン売買が賢明であろう。
他方、ユーロドルはECBによる追加緩和策は織り込み済みであるが、日米もコロナ感染拡大を背景に超低金利政策を強いられるなど、追加緩和政策に関しては優劣つけ難いのが現状である。その中、ユーロ独自の買い材料は乏しいものの、節目のユーロドル1.20台を難なくクリアーし、1.21台まで上昇しているが、ECB側からはユーロ高をけん制する動きも徐々に強まっており、同レベル以上から拙速的に買い上がる雰囲気は失せつつある。引き続きレンジ幅ユーロドル1.2050〜1.2180を重視し、同レベル前後からナンピン売買が一考であろう。