不安材料多く、市場は不完全燃焼!?
予想レンジ
ドル円 107.00〜108.30
ユーロ円 119.20〜120.50
ユーロドル 1.1050〜1.1180
豪ドル円 71.30〜71.50
*****************************
米中主導権争いがエスカレートする中、トランプ米大統領は当初予定していた6月の主要7カ国首脳会議(G7サミット)はメルケル独首相の不参加もあり、頓挫した格好であるが、次回開催を秋に延期すると改めて表明している。また、次回のG7では、ロシアと豪州、インド、そして、韓国なども招待すると表明しており、中国包囲網を強化したい意向なのであろうが、ロシアや韓国を交えたG7となれば、物議を醸しだすことが予想されるだけに、米国のシナリオ通りにいくかは懐疑的である。そして、トランプ大統領は中国が香港の自治権を守るという世界との約束を破棄し、また、中国とWHOの密な関係を非難し、米国はWHOとの関係を断ち切るとまで述べている。その中、パウエルFRB議長がFRBは政治から独立した機関であるが、新型コロナウィルスにより、多くのレッドラインを越えてきているが、マイナス金利は米国では適切な手段ではないと述べたほか、フォワードガイダンスや量的緩和で経済のV字回復は難しいと指摘している。いずれにしても、米中対立構造と新型コロナウィルス感染拡大を背景に相場自体の難易度を深めている以上、引き続き直近のレンジ幅で対応することが望ましいだろう。
一方、ドル円は米債券利回りの低下も一服する中、底堅い展開ではあるが、リスク回避の円買い志向もあり、安易にどちらにも仕掛けづらい状況にある。引き続き直近レンジ幅ドル円107.00〜108.30円を重視し、同レベル前後からナンピン売買が賢明であろう。
他方、ユーロドルはストップロス買いも一巡しているが、米中対立構造によるリスク回避の買いも随所に散見されており、下値は限定的になっている。引き続きレンジ幅ユーロドル1.1050〜1.1180を重視し、同レベル前後からナンピン売買が一考であろう。