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鈴木郁雄の実践・為替ストラテジー

一連のイベント無難に消化!一難去ってまた一難?

予想レンジ
ドル円     108.80〜109.80
ユーロ円    121.00〜122.00
ユーロドル   1.1070〜1.1170
豪ドル円    74.50〜75.50

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市場は再びトランプ大統領の発言に一喜一憂している。市場は一部報道で米国側の関税引き下げ案は3600億ドルの中国輸入品に対して、最大50%関税を引き下げる案を提示していると伝えられていたが、トランプ大統領がツイッターで中国との合意を巡る報道は完全に間違いだと指摘、その後に中国政府が会見し、第1段階の貿易交渉は大きな進展があり、米国とは文書を巡って合意が成立しており、米中は15日の関税発動しないことで一致したと述べ、その後にトランプ大統領が追加関税発動は取り止めるが、25%の関税は維持と述べるなど不安材料を残す結果になっている。ただ、総合的にUSTRのライトハイザー代表が述べたように、来年1月第1週のワシントンでの署名を交わし、米農産物購入に関して中国から2年間のコミットメントを確保したとの見解が順当であろう。いずれにしても、対中追加関税が見送られたものの、変貌自在のトランプ大統領に翻弄されることなく、相場が大きく動意づいてからの始動が得策であろう。

一方、ドル円は一連のイベントが無難に消化され底堅い展開が続いているが、NYダウ平均株価の伸び悩みもあり、本日の東京株式市場が大幅に反発した直後でもあり、相対的に利益確定売りに圧される公算が高く、ドル円110円前後の上値の重さが改めて意識されている。引き続きレンジ幅ドル円108.80〜109.80円を重視し、同レベルからのナンピン売買が賢明であろう。

他方、ユーロドルは英選挙で与党保守党の圧勝劇に終わり、ポンドの急騰も手伝い、ユーロドルは一時1.12台を目指す展開ではあったが、英EU離脱後にも難題が山積しており、手放して歓迎するには時期尚早であろう。更なる上昇局面ではポジションの手仕舞いが急がれる公算が強いだけに、引き続きレンジ幅ユーロドル1.1070〜1.1170を重視し、同レベル前後からナンピン売買で対応することが一考であろう。


プロフィール

鈴木郁雄

Ikuo Suzuki

ケンティッシュジャパン代表

オーバーシーズユニオン銀行入行後、フランスの3大銀行のひとつであるソシエテジェネル銀行東京支店に勤務、外国資金本部長として20年間のディーリング経験を持ち、為替のみならず今話題のデリバティブ業務を日本に導入し、ディーリング部門を統括し、多大な成果を挙げる。01年10月為替投資顧問会社ケンティッシュ ジャパンを設立、今現在も邦銀大手ならびにロンドン・ニューヨークなどの外銀ディーラーとの親密な情報交換し、投資家心理を加えた独自の分析には定評がある。

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