米中貿易摩擦・中東情勢緊迫化・中国経済低迷!視界不良の相場展開?
予想レンジ
ドル円 107.50〜108.50
ユーロ円 118.50〜119.50
ユーロドル 1.0970〜1.1070
豪ドル円 73.70~74.70
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米中貿易協議への進展期待が高まる中、市場はやや冷静さを取り戻しつつあるが、サウジアラビアの石油施設が攻撃されたことを受け、原油価格が急騰、そして、米国がイランの関与を指摘すると共に中東情勢をめぐる地政学的リスクが再燃する中、株安懸念が増幅、そして、米長期金利が低下し始めるなど、市場は困惑度を強めている。また、先に発表された米小売売上高や一連の米経済指標が予想を上回る中、中国経済指標が軒並み低下傾向を示しており、一部では米中の貿易摩擦の影響が出始めているとの見方も少なく無い。また、中国経済の後退を踏まえて、中国が保有している米国債の売却が恒常化するとの憶測もあり、米中の明暗がはっきりする日も近いとの憶測もあり、総じて、ドル売りに方向転換する難しさがある。
一方、ドル円はリスク回避志向を背景に上値の重い展開が予想されるが、基本的には米金利動向に左右される展開であり、依然として、日米金利差がドル円の下支えになっている。次回FOMCに向けて、トランプ大統領が再度FRBに圧力をかけてはいるが、ここ最近の米長期債利回りの反転から判断しても、0.25%程度の小幅な利下げに留まる公算が高く、米ドルを拙速的に売り下がる要素は希薄になっている。また、短期筋としても、中東情勢の緊迫化もあり、拙速的なドル売り円買いトライには慎重になっており、引き続きレンジ幅ドル円107.50〜108.50円を重視し、同レベル前後からナンピン売買が賢明であろう。
他方、ユーロドルは米ドル主導の展開には変わりがないが、先のECB理事会後1.1100前後まで買い戻されていたが、引き続き戻り売りや利益確定売りに圧される格好でユーロドル1.100割れへと警戒感と強めている。そして、ポンドのリバウンド相場にも収束感があり、上値は限定的と判断し、引き続きレンジ幅ユーロドル1.0970〜1.1070重視で対応することが一考であろう。