米中駆け引き激化!見極めの時?
予想レンジ
ドル円 110.30〜111.50
ユーロ円 123.30〜124.70
ユーロドル 1.1130〜1.1250
豪ドル円 76.80〜78.20
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先週発表された米雇用統計は非農業部門雇用者数(NFP)が26.3万人増と予想を大きく上回る中、失業率も3.8%から3.6%へと過去最低水準まで低下するなど、米経済の力強さが改めて確認されているが、意外にも市場はドル売りに傾斜している。先に、トランプ大統領は中国との協議は順調に進んでおり、数週間以内に合意する可能性を指摘、たとえ合意に至らなくてもかまわないとしていたが、中国に課していた日用品などの2,000億ドルに対しても、関税率を10%から25%に引き上げることを言及しており、市場は俄かに米中貿易に対する警戒感を強めている。ある意味ではドル高けん制の動きと共に、米中の駆け引きが激化したとも解釈できるが、トランプ大統領の本気度が測れないだけに、依然として、株式、債券、そして、為替相場は神経質な展開を余儀なくされている。
一方、ドル円は米中貿易不安を背景にドル円110円割れも視野に円買い圧力が増幅している。ただ、ドル円110円台半ば割れでは実需買いや利益確定買いも随所に散見される中、堅調な米株式市場や米金利の優位性もあり、拙速的な円買いには違和感が生じている。当面、米中貿易問題並びに株式市場の動向を見極めるまでは、レンジ幅をドル円110.30〜111.50円まで拡大し、同レベルからのナンピン売買が得策であろう。
他方、ユーロドルはユーロ圏の経済指標の持ち直しや割安感の買戻しもあり、ユーロドル1.12前後まで回復基調にあるが、更なる買い材料が乏しいだけに、無理をせずに引き続きレンジ幅ユーロドル1.1150〜1.1250重視で対応することが賢明であろう。