米中貿易戦争小休止も視界不良!?
予想レンジ
ドル円 113.00〜114.00
ユーロ円 128.00〜129.00
ユーロドル 1.1250〜1.1380
豪ドル円 82.30〜83.50
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市場は注目の米中首脳会談の結果待ちであったが、トランプ米大統領と中国の習近平国家主席は追加関税を一時的に見送り、貿易戦争を悪化させないことで一致、その後、米ホワイトハウスは声明を発表、2,000億ドル相当の中国からの輸入品に対する関税は10%で据え置き、25%の引き上げを先送りする方針を明らかにしている。中国は貿易不均衡解消に向け米国から相当量の農産物や工業製品などを輸入することで合意。そして、知的財産権保護に関しても、構造改革協議を速やかに開始することも決めるなど、ほぼ想定通りの結果と言える。ただ、90日以内に合意できなければ、米国は対中関税を25%に引き上げるとしているが、ある意味では最終合意には程遠く、時間稼ぎの段階とも言えるだけに、今後も引き続き腹の探り合いが続きとみたほうが無難であろう。
一方、ドル円は米中首脳会談の影響は未知数であるが、現状では株価動向や米債券利回りの動向を睨みながらの展開が予想される。ただ、先のパウエルFRB議長の講演を受けて、来年以降の米利上げ期待が後退しており、米10年債利回りの低下懸念がある以上、戻り売りが優先され易い状況に置かれている。引き続きレンジ幅をドル円113.0〜114.00まで拡大し、同レベルからのナンピン売買が一考であろう。
他方、ユーロドルは戻り売りが優先される中、ユーロドル1.14台の上値の重さが意識されている。ただ、1.13割れの段階では利益確定買いや消去法的な買いが随所に散見されるなど、ドル円と同様に、ユーロドル1.1300〜1.1400のレンジ幅を重視した戦略性が求められる。