米中貿易摩の激化に収束感無く、波乱含みの展開!?
予想レンジ
ドル円 112.50〜114.00
ユーロ円 129.50〜130.80
ユーロドル 1.1450〜1.1580
豪ドル円 79.50〜80.80
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先週末に発表された9月米雇用統計は失業率が過去最低水準にまで低下しているものの、非農業部門雇用者数(NFP)が伸び悩み、そして、平均時給は前年比2.8と予想通り3%を下回るなど、相対的にはインフレ期待を高める内容とは言い難い状況にある。その中、米10年債利回りは3.23%台と上昇度を強めており、一部では中国が貿易摩擦解消に向けて、人民元安の進行モ含めて、米国保有国債の売却との憶測も浮上している。米中貿易戦争による影響が米中経済指標にも現れる時期でもあり、市場参加者は慎重を期して、ポジションの手仕舞いに追われ易い相場環境にあり、ある程度の乱高下は避けられないと見なした方が無難であろう。
一方、ドル円は日米金利差を背景に一時114円台を回復したものの、軟調な株価気配、そして、利益確定売りに圧されており、一時113円割れになるなど、改めてドル円114円台の上値の重さが意識されている。また、先に発表された米国の8月貿易赤字が532億ドル(7月500億ドル)まで拡大、対中赤字は386億ドルと過去最大を記録、また、対日赤字でも60億ドル(7月55億ドル)へ拡大基調にあり、市場は否が応でもトランプ米政権による米国第一主義が意識されており、過度なドル高に配慮した戻り売りが優勢になっている。ただ、不安定な世界情勢を踏まえた強いドル志向も同居しており、当面、レンジ幅ドル円112.50〜114.00円で対応することが賢明であろう。
他方、ユーロドルは米国債利回りと軟調な株式市場が相混じる中、イタリアの財政難を踏まえて、戻りの鈍い展開を強いられている。ただ、割安感と共に米中貿易摩擦の長期化を踏まえた消去法的な買いも随所に散見されるなど、ユーロドル1.15前後で膠着度を強めている。引き続きレンジ幅ユーロドル1.1450〜1.1600重視で待機策が一考であろう。