米中貿易摩擦で揺らぐ相場観!?
予想レンジ
ドル円 110.60〜111.80
ユーロ円 128.00〜129.50
ユーロドル 1.1500〜1.1650
豪ドル円 81.50〜82.80
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注目された7月米雇用統計は好悪相混じる中、事前予想ほどの改善は見られない中、米債券利回りの低下もあり、若干ドル売りに傾斜している。その中、米中貿易問題を巡り激化懸念が嫌気されており、総じてポジションの手仕舞いが優先されやすい相場環境を作り出している。中国商務省は米国の輸入関税に対して、中国はより一層の報復措置をとる権利を有しているとした上、米国の関税措置がエスカレートした場合には600億ドル相当の米国製品に関税を課する計画を検討している旨を報じるなど、依然として、収束感には程遠い状況にある。ただ、中国人民銀行は為替フォワード取引の一部を対象に20%の準備金預け入れを義務付けるなど、人民元安の歯止めに乗り出しており、米中貿易戦争の激化懸念を背景にドル買いに発展するか否かは未知数であり、拙速的なポジショニングは自重局面にある。
一方、ドル円は堅調な株高志向や日米金利差を踏まえて、引き続き底堅い状況にあるが、米中貿易摩擦が遅かれ早かれ本邦に波及するとの懸念もあり、ドル円112円台が重石になっている。引き続き直近のレンジ幅での攻防が予想されるだけに、当面、ドル円100.50〜112.00円重視で待機策が賢明であろう。
他方、ユーロドルは引き続き戻り売りが優先される中、節目のユーロドル1.15前後が意識され始めている。ただ、既に割安感と共に、下限レベルで推移しており、相対的に下値トライには慎重なっている。引き続きレンジ幅ユーロドル1.1500〜1.1650重視で対応することが一考であろう。