貿易摩擦沈静化で一服!ドル買い戻し優勢?
予想レンジ
ドル円 111.80〜113.00
ユーロ円 130.80〜132.30
ユーロドル 1.1650〜1.1780
豪ドル円 82.50〜84.00
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貿易摩擦問題に関しては、米政府はWTOに対して、今年導入した鉄鋼やアルミの輸入に対する関税はルールに従った正当な措置であり、それに対して報復関税を導入している中国やEU、カナダ、メキシコ、トルコの5ヵ国ほうが国際ルールに従っていないと指摘するなど、打開策の糸口は依然として見えてこない状態であるが、水面下の交渉が続く中、市場の長期化懸念は短期化懸念に移行しており、市場のセンチメントは相対的にドルを買い戻す動きに傾斜している。その中、NYダウ平均株価も米企業決算の好結果を背景に3日続伸、また、10年債利回りも下げ止まりの様相を示していることもドル買いを後押ししている。ただ、米国が目指す貿易赤字削減が早期に実現する可能性は低く、ドルの更なる上昇局面ではドル高けん制の動きが浮上する可能性もあり、拙速的にドルを買い上がる雰囲気には至っていない。
一方、ドル円は米景況感を背景にドル円112円台で底堅い展開を見せているが、短期筋としては、米株式市場の過熱感や米債券利回りの伸び悩みもあり、ドル円113円前後が一旦清算局面と捉えており、過度な円安期待は自重局面に差し掛かっている。引き続きレンジ幅ドル円111.80〜113.00円重視で対応することが賢明であろう。
他方、ユーロドルは割安感の買い戻しや不安視されていたドイツ銀行の改善などもあり、再びユーロドル1.17台を回復している。ただ、更なる買い材料が乏しいだけに、引き続き戻り売り優先の展開と見なした方が無難であろう。