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鈴木郁雄の実践・為替ストラテジー

予測不能の米朝首脳会談!

予想レンジ
ドル円     108.80〜110.30
ユーロ円    128.30〜129.50
ユーロドル   1.1700〜1.1830
豪ドル円    82.50〜83.80

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主要7カ国首脳会議(G7サミット)で米国との通商政策をめぐる対立懸念が増す中、明日に予定されている米朝首脳会談を見極めたいとの思惑から市場は相対的に調整色を強めざるを得ない状況に置かれている。その中、中国は7兆円購入増を提案しており、米国側に譲歩した感があるが、米中貿易戦争が終焉したとは言い難い。いずれにしても、G7サミットでの対立構造が鮮明なっている以上、相対的リスク回避的なドル売り・円買いが優勢の段階と見なした方が無難であろう。いずれにしても、明日の米朝首脳会が理解不能な奇人変人の初会談であり、表面的な合意を得たとしても、非核化が現実味を帯びるまでは一触即発の状況にあると見なした方が賢明であり、当面、ドル売り・円買いに比重を置いた売買シナリオがリスクの軽減に繋がるであろう。

一方、ドル円は今週の日米欧の金融政策にも注目が集まる中、米利上げは織り込み済みであり、サプライズはほぼ期待薄である。当面、米10年債利回りが3%台を回復するまでは、拙速的にドルを買い上がる雰囲気には至っていないが、反面、米朝首脳会談の成功と米利上げ加速期待でドルを買い戻す動きも強いだけに、引き続きレンジ幅を109.00〜110.50円まで拡大し、同レベル前後からのナンピン売買で対応することが賢明であろう。

他方、ユーロドルは欧州圏の政局不安とリスク回避的なドル売りに挟まれ、安易にどちらにも仕掛けづらい状況にある。ただ、新興国通貨安などを踏まえた消去法的な買戻し、そして、ポンド安一巡との見方もあり、過度なユーロ安を見込みづらいだけに、引き続きレンジ幅ユーロドル1.1700〜1.1850重視て待機策が一考であろう。


プロフィール

鈴木郁雄

Ikuo Suzuki

ケンティッシュジャパン代表

オーバーシーズユニオン銀行入行後、フランスの3大銀行のひとつであるソシエテジェネル銀行東京支店に勤務、外国資金本部長として20年間のディーリング経験を持ち、為替のみならず今話題のデリバティブ業務を日本に導入し、ディーリング部門を統括し、多大な成果を挙げる。01年10月為替投資顧問会社ケンティッシュ ジャパンを設立、今現在も邦銀大手ならびにロンドン・ニューヨークなどの外銀ディーラーとの親密な情報交換し、投資家心理を加えた独自の分析には定評がある。

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