課題・難題山積で焦点絞れず、相場の動意待ち?
予想レンジ
ドル円 109.00〜110.00
ユーロ円 127.00〜128.30
ユーロドル 1.1600〜1.1730
豪ドル円 82.00〜83.50
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先週末に発表された米雇用統計は非農業部門雇用者数(NFP)が22.3万人と予想を上回ったほか、ここ最近注目されている平均時給も前年比2.7%と予想を上回り、NYダウ平均株価は前日比219ドル高と反発に転じるなど、相対的にはFOMCでの利上げ期待を裏付ける内容ではあるが、米10年債利回りは2.9%前後で伸び悩んでおり、ドルを拙速的に買い戻す雰囲気とは言い難い相場環境に置かれている。市場の関心が米中通商問題や欧州の政局不安に移行していることもあるが、トランプ大統領が米朝首脳会談を改めてシンガポールで6月12日に開催する見通しを発表したこともあり、市場はそれぞれの成り行きを見極めたいとの思惑が働いており、安易にどちらにも仕掛けづらい状況に陥っている。
一方、ドル円は米雇用等後発表後には一時110円に迫る展開を見せたものの、同レベルでは、依然として、実需やポジション調整売りが随所に散見されており、ドル円109〜110円のレンジ相場を形成しており、相場が動意づくまでは同レベル前後からのナンピン売買が一考であろう。
他方、ユーロドルは一時イタリアの政局不安を背景に戻り売りに圧され下値を探る展開を強いられていたが、「五つ星運動」と「同盟」が推奨していたコンテ氏がイタリア首相に宣誓就任し、再選挙は回避されそうな情勢である。相対的には割安感を踏まえながら買戻し志向が強まりつつある。ただ、ユーロドル1.17台では利益確定売りに圧されるなど、引き続き戻り売り優先の展開は否めず、ドル円と同様に、直近のレンジ幅1.1600〜1.1730重視で対応することが賢明であろう。