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鈴木郁雄の実践・為替ストラテジー

米中貿易摩擦で憶測先行!相場の動意待ち変わらず?

予想レンジ
ドル円     107.00〜108.00
ユーロ円    131.50〜132.80
ユーロドル   1.2230〜1.2350
豪ドル円    82.00〜83.30

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米中貿易摩擦が懸念される中、停滞気味であった米10年国債利回りが2.2958%と3%に迫る展開を見せており、相対的にはドルを買い戻す動きが優勢になっている。ただ、現時点では貿易戦争はG20においても勝者なき戦いと報じられる中、一部では中国当局が米債売却に回っているとの憶測も浮上するなど、今後も日本を含めて世界的な貿易戦争の成り行きに注目せざるを得ない相場環境は否めない。その中、米株式市場が金利上昇に伴い前日比201ドル安と下落基調を強めるなど米金利上昇にやや敏感に反応するなど、市場は全般的に混迷度を深めざるを得ない状況に置かれており、相場の動意待ちの状況には大きな変化はみられていない。

一方、ドル円は米金利上昇によるドル買いや貿易摩擦懸念によるドル売りに挟まれる格好で107円台半ば前後で試行錯誤が続いているが、相も変わらず、実需売買やポジション調整売買がドル円107円と108円前後で控えるなど、ボックス圏相場の様相を強めている。

他方、ユーロドルは今週にECB理事会が予定される中、ドラギECB総裁がIMF国際通貨金融委員会において、基調インフレは緩やかに上昇する見通しであるが、ユーロ圏の成長サイクルはピークを過ぎた可能性を指摘、十分な金融緩和は引き続き必要と言及したことを受けて、戻り売り圧力が強まっており、当面、直近のレンジ幅ユーロドル1.2250〜1.2350重視で対応することが賢明であろう。


プロフィール

鈴木郁雄

Ikuo Suzuki

ケンティッシュジャパン代表

オーバーシーズユニオン銀行入行後、フランスの3大銀行のひとつであるソシエテジェネル銀行東京支店に勤務、外国資金本部長として20年間のディーリング経験を持ち、為替のみならず今話題のデリバティブ業務を日本に導入し、ディーリング部門を統括し、多大な成果を挙げる。01年10月為替投資顧問会社ケンティッシュ ジャパンを設立、今現在も邦銀大手ならびにロンドン・ニューヨークなどの外銀ディーラーとの親密な情報交換し、投資家心理を加えた独自の分析には定評がある。

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