トランプ劇場に過剰反応は禁物!?
予想レンジ
ドル円 105.30〜106.80
ユーロ円 129.50〜130.80
ユーロドル 1.2220〜1.2350
豪ドル円 81.00〜82.50
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米国を取り巻く経済環境は先の美雇用統計の完全雇用を踏まえながら、NYダウ平均株価が堅調に推移、米債券利回りの上昇などを背景に、今週のFOMCでの利上げ観測は確実実視されているが、米10年債利回り3%が壁になっており、拙速的にドルを買い戻す雰囲気とは言い難い。その中、市場はトランプ政権の相次ぐ側近の解任劇により、トランプ政権の運営能力の脆弱性が問われ始めている。原則的には米中間選挙を睨みの支持率低下阻止なのであろうが、米国保護主義を理由に法人税引き下げや輸入関税の引き上げなどの強硬策にしか選択肢はないのが現状なのかもしれない。ただ、米与党共和党内でも反論が出ているように、トランプ大統領の筋書き通りには事が運ぶかはかなり懐疑的になっており、ドルの更なる上昇局面では戻り売り優勢と見なした方が賢明であろう。
一方、ドル円は106円台を回復しているものの、依然として、貿易戦争懸念を背景に実需や利益確定売りもドル円107円前後では随所に散見されており、戻りの鈍さに繋がっている。ただ、日米金利差を背景とした機関投資家やヘッジファンドのドルロング志向は健在であり、ドル円105円台半ば割れからのショートは自重局面と見なした方が無難であろう。
他方、ユーロドルはECBの出口戦略に対する期待もあるが、反面、先のドラギECB総裁の慎重姿勢もあり、金融緩和縮小には時期尚早との見方が少なくない。当面、FOMCの利上げ後の影響を見極めた上での政策方針に転じる可能性が高く、引き続き戻り売り優先の展開は否めないだろう。