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鈴木郁雄の実践・為替ストラテジー

トランプ米大統領発言に過剰反応?

予想レンジ
ドル円     105.00〜106.50
ユーロ円    129.50〜130.70
ユーロドル   1.2250〜1.2380
豪ドル円    81.30〜82.50

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市場はトランプ大統領の一連の関税措置による保護主義の動きに関心を強めている。その中、同大統領が貿易戦争は良いものであり、勝つのは簡単であると述べるなど、暗にドル高けん制の動きに警戒感を強めている。反面、各国からはトランプ政権の不可解な発言に翻弄される中、EU側からは米国からの輸入に25%の関税を課す計画も検討されているとの報道も伝わるなど、相場全般が通貨安競争を背景に、不安定極まりない展開に陥りつつある。

一方、ドル円は一時105円台前半まで下落しており、株価や債券動向次第では心理的節目ドル円105円割れも意識せざるを得ない状況に置かれている。その中、黒田日銀総裁は2019年度にはインフレが2%に達成する可能性が高いと確信しており、出口戦略に意欲的な発言したことも円買いを誘引している。たた、ドル円105円割れを目前に過剰反応した嫌いは否めず、同レベル前後からの反発に配慮したポジショニングが求められるだけに、相場が大きく動意づくまでは少なめの売買で対応することが望ましいだろう。

他方、ユーロドルはドル高けん制の動きと共に、ユーロドル1.23ドル台を回復してはいるが、自律反発の段階とは言い難い状況にある。不安視されたドイツ政局は大連立の決着で一応回避されてはいるが、英EU離脱問題やイタリアの政局不安などは払しょく出来ておらず、依然として、戻り売り優先の展開と見なした方が無難であろう。


プロフィール

鈴木郁雄

Ikuo Suzuki

ケンティッシュジャパン代表

オーバーシーズユニオン銀行入行後、フランスの3大銀行のひとつであるソシエテジェネル銀行東京支店に勤務、外国資金本部長として20年間のディーリング経験を持ち、為替のみならず今話題のデリバティブ業務を日本に導入し、ディーリング部門を統括し、多大な成果を挙げる。01年10月為替投資顧問会社ケンティッシュ ジャパンを設立、今現在も邦銀大手ならびにロンドン・ニューヨークなどの外銀ディーラーとの親密な情報交換し、投資家心理を加えた独自の分析には定評がある。

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