米債券利回り上昇度合い!吉と出るか凶と出るか?
予想レンジ
ドル円 109.50〜110.80
ユーロ円 136.50〜137.80
ユーロドル 1.2350〜1.2500
豪ドル円 86.50〜88.00
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先週末発表された米雇用統計が事前予想通りに非農業部門雇用者数(NFP)が20万人増と予想を上回ると共に、注目の平均時給も前年比2.9%増と2009年6月以来の高い伸びを示す中、米国債利回りも上昇も手伝い、相対的にドルの買戻し志向が強まっている。ただ、NYダウ平均株価では米債券利回りの上昇が嫌気され、前日比665ドル安と急落しており、市場は懸念されていた通貨安競争以上に金融緩和縮小に対する警戒感を強めている。各中銀は世界的な株高傾向をふまえて、金利正常化を促進する方向にあるが、今回の株価の急落を受けて、FOMCを筆頭にして、日欧の金融政策にも影響を及ぼす可能性が残されており、市場は為替相場の難易度を深めていると言わざるを得ないだろう。
一方、ドル円は110円台を回復した安堵感もあり、引き続き底堅い展開が予想されるが、NY株の急落をうけて、東京株式市場が如何に反応するかに注目が集まっている。ただ、株価との連動性が低いとは言え、金利面での優位性が維持されている関係上、過度なドル安局面は描きづらい状況にある。引き続きレンジ幅109.50〜110.50円を重視し、同レベルからのナンピン売買で対応することが賢明であろう。
他方、ユーロドルは米雇用統計の改善や米債券利回りの上昇が伴い、相対的にユーロロングを手仕舞う動きが優先されている。ただ、米債券利回りの更なる上昇は米財政難にも繋がると同時に、中国並びに日本などの米債券保有国にとっては含み損を抱え込むことにもなり、米債券頼みのドル買いは限定的と見なした方が賢明であり、引きつづきレンジ幅1.2350〜1.2500重視で対応することが一考であろう。