地政学的リスクをめぐり一進一退の展開!?
予想レンジ
ドル円 109.50〜111.00
ユーロ円 130.00〜131.80
ユーロドル 1.1800〜1.1950
豪ドル円 87.00〜88.50
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先週末発表された米雇用統計は非農業部門雇用者数が15.6万人増と市場予想の18万人を下回り、また、平均時給も前年比で2.5%と予想を下回ったことから、序盤ではドル売りが先行したが、相対的には完全雇用を覆すほどの内容ではなく、NYダウ平均株価は小幅ながらも前日比39ドル高と続伸、再度2万ドル台を窺う展開になっている。また、米債券利回りも軒並み上昇する中、ECBが資産購入ペース縮小計画を12月の理事会まで決定しないとの報道が伝わり、ユーロ売りが加速し、ドルは下げ幅を解消するなど、依然として、もみ合い相場の様相を呈している。
一方、ドル円は米雇用統計後発表後には109円台半ば近辺まで下げ足を速めたが、米債券利回りが軒並み上昇する中、一気に110円台半ば前後まで切り返すなど、相場の難易度を深めている。ただ、昨日、北朝鮮国営の朝鮮中央テレビ がICBM搭載の水爆実験に成功と報道しており、更に地政学的リスクの高まりと共に、今週の相場のかく乱要因になる可能性が高いだけに、当面、レンジ幅を通常より拡大し、極力少なめの売買で対処せざるを得ないだろう。
他方、ユーロドルは米雇用統計発表直後にドル円と同様にドル売りにサポートされ一時1.12台が視野に入ったが、ECBの関連報道で急落し、戻り売りが優勢になっている。市場では、来週の理事会での資産購入ペース縮小に関する文言を打ち出す可能性もあっただけに、今回の報道でECBに対する不透明感と共に、当面、ユーロロングを解消する動きが優先されやすい状況にある。