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鈴木郁雄の実践・為替ストラテジー

ドル全面安から全面高へと様変わり!未だにまだら模様?

予想レンジ
ドル円     110.00〜111.50
ユーロ円    129.50〜131.00
ユーロドル   1.1700〜1.1850
豪ドル円    86.80〜88.30

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先週末発表された米雇用統計が予想を上回る内容だったことから、ドル全面高の展開になっている。元々、ドルが売られすぎであった傾向もあるが、非農業部門雇用者数(NFP)は20万人超、失業率は4.3%に再び低下、そして、懸念されていた平均時給は前月比ではプラス0.3%と改めて完全雇用が意識されている。NYダウ平均株価は9営業日続伸し、過去最高値を更新していることもドル買い志向を強めるなど、市場は様変わりの様相を呈している。当面、来週に控えている米消費者物価(CPI)や諸々の米経済指標の動向に注視せざるを得ないだろう。

一方、ドル円は米債券利回りの持ち直しを踏まえて、111円台を一時回復するなど底堅い展開が予想されるが、依然として、米利上げ観測の不透明感は否めない中、トランプ大統領に対する不信感がある以上、拙速的なドル買いには疑問符がついている。ただ、同大統領が夏休暇に突入しており、束の間の休息感もあり、もう一段のドルの上昇局面が意識されるだけに、現状レベルからのドルショートは自重局面にある。

他方、ユーロドルは一気に.17台前半まで急落するなど荒っぽい展開を強いられている。米ドル主導の買戻しが一服してはいるが、市場には常に過熱感と高値警戒感があっただけに、想定内の下落局面と言える。ただ、未だに買われすぎの段階にあり、もう一段の下落局面に備えたシナリオが求められる。


プロフィール

鈴木郁雄

Ikuo Suzuki

ケンティッシュジャパン代表

オーバーシーズユニオン銀行入行後、フランスの3大銀行のひとつであるソシエテジェネル銀行東京支店に勤務、外国資金本部長として20年間のディーリング経験を持ち、為替のみならず今話題のデリバティブ業務を日本に導入し、ディーリング部門を統括し、多大な成果を挙げる。01年10月為替投資顧問会社ケンティッシュ ジャパンを設立、今現在も邦銀大手ならびにロンドン・ニューヨークなどの外銀ディーラーとの親密な情報交換し、投資家心理を加えた独自の分析には定評がある。

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