米利上げ観測後退も売られすぎの兆候!?
予想レンジ
ドル円 110.00〜111.80
ユーロ円 129.30〜130.80
ユーロドル 1.1650〜1.1830
豪ドル円 87.80〜89.30
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先週発表された米第2四半期GDP速報値は前期比2.6%と予想(2.7%)を若干下回り、第1四半期も下方修正される中、個人消費の速報値、PCEコアデフレータ速報値、そして、雇用コスト指数の伸び悩みなどから、インフレ見通しが鈍化傾向にあることが改めて意識されている。米債券利回りが軒並み低下しており、当面、FRBによる性急な利上げ観測は後退した感が強く、ドルの調整売りが優勢になっている。ただ、低金利政策の継続性を背景に、NYダウは一部企業の決算が好感される中、史上最高値を更新しており、米景況感底堅さが改めて意識されており、FRBの金利正常化は未だに意欲的と見なした方が無難であろう。
一方、ドル円は次回9月のFOMCでの利上げの確率は急速に萎えているが、一部では年内12月の利上げ期待まで後退したとの思惑もある。また、北朝鮮が大陸間弾道ミサイル(ICBM)発射実験を行ったことを受け、リスク回避の円買いも加わり、短期筋としても、ドルロングの手仕舞いに追いやられており、上値の重さが意識されている。ただ、ドル円110円台では随所に利食いと実需買いが散見されており、ドル円110円割れは時期尚早と見なした方が賢明であろう。
他方、ユーロドルは米債券利回りの低下を受けて、引き続き底堅い展開を見せているが、相対的に欧州通貨並びにオセアニア通貨共に買われすぎの兆候がある。当面、米金利の先高観測が後退したのが主な買い材料になってはいるが、米金利の下げ余地が少ないだけに現状レベルからの高値掴みには要注意であろう。