出口戦略はいずれも視界不良!ドル見切り売りに歯止め?
予想レンジ
ドル円 110.50〜112.00
ユーロ円 129.00〜130.30
ユーロドル 1.1580〜1.1730
豪ドル円 87.30〜88.80
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今に始まったわけではないがトランプ米大統領に対する疑惑捜査により、トランプ政権の信頼性が揺らぐ中、今後予定されている大型減税やインフラ投資の実効性に疑問符が生じており、ドルの全面安の状況を作り出している。ただ、ファンダメンタルズ的には米金利の優位性があり、やや過剰反応している嫌いは否めない。引き続き日銀と他の主要国との出口戦略に対する温度差を背景とした円キャリートレード的要素を多分に含んでいるが、足元のFRBの年内利上げに対する不透明感がドル売りを誘引している。当面、米債券利回りの動向に注視せざるを得ないだろうが、更なる低下を招くようであれば、ドル円110円割れも視野に入れる必要がある。ただ、FRBは独立性を重視しており、金利正常化にむけて緩やかな利上げを見込んでいる以上、米債券利回りの低下余地はほぼ無く、ドル円110円前後が折り返し地点になる可能性がある。
一方、ドル円は相対的にストップロス優先の展開を余儀なくされており、上値の重さが意識されている。本邦に限って言えば、黒田日銀総裁が超低金利政策の持続性を唱える中、日本の政局不安なども重なり、円を積極的に買い上げる状況ではないが、当面、トランプ大統領のロシア疑惑に関する捜査が沈静化するまではドルロングは自重局面にある。
他方、ユーロドルはECB理事会において、ドラギ総裁は債券購入プログラムについては秋に協議と慎重姿勢を示しているが、ドル安とポンド安が助長した格好で底堅い展開を見せている。ドル円と同様に、拙速的に買われすぎた側面があり、ある程度の乱高下は想定せざるを得ず、相場が大きく動意づいてからの始動が賢明であろう。