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鈴木郁雄の実践・為替ストラテジー

日米欧の金融政策の相違!円キャリートレード志向強まる?

予想レンジ
ドル円     112.00〜113.50
ユーロ円    128.50〜129.80
ユーロドル   1.1350〜1.1530
豪ドル円    87.00〜88.50

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先のイエレンFRB議長の議会証言において、インフレの動向を注視する旨を述べていたが、先週末に発表された米消費者物価(CPI)や小売売上高が弱い内容となったことが嫌気される中、米債券利回りの伸び悩みも加わり、市場は年内に追加利上げに踏み切れるか懐疑的になっている。一部では早々に9月の利上げ予想から12月に先延ばしされる可能性から、ドルの調整売りが優勢になっている。ただ、NYダウは相も変わらず史上最高値圏で推移、また、米企業の好決算もあり、相対的に市場は過剰反応している嫌いは否めないだろう。

一方、ドル円は3連休の関係上、ドル円112円台半ば前後で調整色を強めている。相対的に各中央銀行の金融政策スタンスの相違がある以上、円キャリートレードが常に意識される相場環境にあり、下値余地は限られている。今週は日銀金融決定会合が控える中、黒田日銀総裁はインフレ目標2%達成に固執しているが、既にマイナス金利導入の弊害論も台頭している関係上、欧米に追従する格好で金利先高観測を匂わすような政策方針に転嫁すべき時期が到来しているとも言える。

他方、ユーロドルはドル売り助長された格好で再びユーロドル1.15台が視野に入りつつある.ただ、短期筋としても、更なる上値トライには材料不足は否めず、上記レベルでは高値掴みには注視し、一旦清算局面と捉えたほうが一考であろう。


プロフィール

鈴木郁雄

Ikuo Suzuki

ケンティッシュジャパン代表

オーバーシーズユニオン銀行入行後、フランスの3大銀行のひとつであるソシエテジェネル銀行東京支店に勤務、外国資金本部長として20年間のディーリング経験を持ち、為替のみならず今話題のデリバティブ業務を日本に導入し、ディーリング部門を統括し、多大な成果を挙げる。01年10月為替投資顧問会社ケンティッシュ ジャパンを設立、今現在も邦銀大手ならびにロンドン・ニューヨークなどの外銀ディーラーとの親密な情報交換し、投資家心理を加えた独自の分析には定評がある。

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