イベント通過でポジション調整主体の展開!?
予想レンジ
ドル円 109.50〜111.00
ユーロ円 122.50〜124.30
ユーロドル 1.1130〜1.1250
豪ドル円 82.30〜83.80
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先週のコミー前FBI長官の議会証言は一応事なき得た印象が強い反面、市場全般は益々トランプ大統領への不信感を強めている。その中、今後は同大統領が言及している大型減税や規制緩和といった政策方針に改めて注目せざるを得ないが、現状の進捗状況を踏まえる限りでは、かなりの難航が予想されるため、突発的な乱高下は想定せざるを得ない相場環境にある。とは言え、市場心理としては、日欧の金融政策に対する出口戦略が見出せない段階であり、相対的には米金利の優位性は無視できず、また、堅調な米株式市場を考慮しても、ドルを拙速的に売り下がる難しさがあるだろう。
一方、ドル円はイベントを無難に通過したことや、堅調な株高気配を受けて、一時111円台に迫る展開を見せたが、利益確定売りと共にポジション解消売りを伴い、110円台半ば割れへと下落基調を強めている。ただ、日米金利差を背景としたドル買いニーズは根強く、110円割れトライには慎重になっている。引き続きレンジ幅を109.50〜111.00円まで拡大し待機策に努めることが得策であろう。
他方、ユーロドルはポンド安が一服する中、節目であった1.12割れとなるなど、相対的にポジションの手仕舞いが優先されやすい相場環境にある。英総選挙の動向が嫌気されたポンド売りがサポートしていたが、先のECB理事会では量的緩和については12月まで継続し、必要に応じて延長するとの文言があり、また、ドラギ総裁も景気のリスクは概ね均衡とECBによる出口戦略の脆弱性がユーロドルを誘引している。