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鈴木郁雄の実践・為替ストラテジー

見極めの時期!過剰期待禁物?

予想レンジ
ドル円     112.00〜113.50
ユーロ円    123.00〜124.80
ユーロドル   1.0900〜1.1050
豪ドル円    82.80〜84.30

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先週末に発表された米雇用統計は前回の反動もあり、非農業部門雇用者数(NFP)が21.2万人と市場予想を上回り、また、失業率も4.4%まで低下するなど、ほぼ完全雇用に近い数値を示しており、ドル買いにやや弾みがついた格好でドル円はストップロスを巻き込み一時113円台に乗せる展開を見せている。その中、相も変わらず、市場は北朝鮮情勢に振り回された感が強いが、米国側から中国やロシアなどを介して、打開策に向けて前向き姿勢を示しており、相対的な地政学的リスクは一服状態にある。一方、トランプ大統領の保護主義政策を発端として、英EU離脱を含めて、世界的なポピュリズム志向が政治やマーケットの攪乱要因になっているが、政治の分断化が進行するなど、拙速的な売買は手控えられている。

一方、ドル円は有事のドル買いが地政学的リスクの円買いを上回っており、引き続き底堅い展開が予想されるが、米当局からは貿易不均衡の標的が円相場に向けられつつある。概ね中国に対してのけん制の動きであろうが、過度な円安局面ともなれば、再度ドル高けん制の動きが円相場にも講じられる可能性もあり、当面、更なる上昇局面での高値掴みには要注意だろう。

他方、ユーロドルは反EU離脱派であるマクロン候補の勝利が決定したことを受けて、買戻し志向が強まっている。節目であるユーロドル1.1000台をクリアーしてはいるが、材料出尽くし感を踏まえた戻り売りにも中止せざるを得ず、当面、レンジ幅1.0900〜1.1050重視で対応することが一考であろう。


プロフィール

鈴木郁雄

Ikuo Suzuki

ケンティッシュジャパン代表

オーバーシーズユニオン銀行入行後、フランスの3大銀行のひとつであるソシエテジェネル銀行東京支店に勤務、外国資金本部長として20年間のディーリング経験を持ち、為替のみならず今話題のデリバティブ業務を日本に導入し、ディーリング部門を統括し、多大な成果を挙げる。01年10月為替投資顧問会社ケンティッシュ ジャパンを設立、今現在も邦銀大手ならびにロンドン・ニューヨークなどの外銀ディーラーとの親密な情報交換し、投資家心理を加えた独自の分析には定評がある。

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