ドル円110円台回復も波乱要因多様化!?
予想レンジ
ドル円 109.30〜110.80
ユーロ円 118.80〜120.50
ユーロドル 1.0750〜1.0950
豪ドル円 82.00〜83.80
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北朝鮮をめぐるリスク回避の動きを背景に、市場全般は緊張感を高めているが、現時点では根拠らしきものはなく、米国の軍事介入までは至らないとの見解が少なくなく、一旦小休止の段階を迎えている。その中、トランプ大統領が今週26日に税制改革案を公表することを明らかにし、大型減税への期待も含めて、米国債利回りが盛り返すなど、ドルを買い戻す動きが広がりつつある。ただ、減税の数値を見ない限り、相対的にはポジション調整的な動きに過ぎず、拙速的なドル買いやドル売りにも傾斜しにくい状況にある。また、フィッシャーFRB副議長は今年の利上げ回数の見方変わらないとしてはいるが、過剰流動性資金がドル債に集中しやすい外部環境にあるだけに、米債券利回りの上昇によるドル買いは期待薄との見方が支配的である。
一方、ドル円は日米金利差拡大による円売り、そして、リスク回避の円買いに挟まれる中、ドル円109円前後で試行錯誤が続いていたが、期待されるほど日米金利差が広がっておらず、また、地政学的リスクが円買いに結び付くかは懐疑的でもある。その中、仏大統領選の1回目投票では決定は見られず、ルペン氏とマクロン氏が次回5月7日の決選投票で争う旨が伝えられる中、ユーロ高につられる格好で110円台を一気に回復している。ただ、世論調査では依然として、EU残留派のマクロン氏優勢ではあるが、り、ドル円110円台ではドル高けん制の動きにも配慮しなければならず、加速的な円円安局面は描きづらい状況にある。
他方、ユーロドルはEU残留派のマクロン氏優勢が伝えられる中、1.09台に迫る展開を見せている。ただ、世論調査では依然として、3割ほどの浮動票がカギを握っており、ユーロを積極的に買い上げる難しさもある。引き続き戻り売り優先で対応することが一考であろう。