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鈴木郁雄の実践・為替ストラテジー

一攫千金は錯覚!身分相応なトレードを目指しましょう

錯覚で目が回る?

錯覚で目が回る?

昨日から来週のセミナー資料に追われていたが、資料作成も原稿も締め切りが近づかないと、ペンが走らない。昨日はレポート関係の会社2社と打ち合わせで、ひさしぶりに内幸町へ繰り出したが、街中は活気はあるようですね。日ごろ、パソコンと格闘していると、活気があると錯覚するのは自分だけ!でしょうが、
時間調整のため新橋のパチンコ屋に寄ったが、パチンコ屋に活気があるのはやはり不景気から脱していないのかも?
ギャンブルと為替を錯覚する方もいらっしゃるが、為替は本来最も堅実な投資ツールの手段なのですが。レバレッジの大きさで大儲けを企む投資家があとをたちませんが、大きさは懐と相談して決めましょう・。。。

●米中間選挙後の一息もままならず、米貿易収支の改善は原油価格下落により、想定範囲の結果であったが、政局運営が問われている時だけに米ドル上昇の反応が意外にも強かったと言える。しかしながら、中国人民銀行の周小川総裁が「中国の外貨準備の多角化を熟考、多くの方法を模索」と述べていたことが伝わると、一気にドル売りが強まり、ユーロドル上昇に繋がったように、市場は米ドルに対する不信感を増長させている証でもある。
中国の外貨準備高に関しては、以前から問われており、特に目新しい話題ではないが、さすがに先月1兆ドルを超えて、日本を尻目に残高が世界第一位に踊り出た状況から判断しても、極自然の成り行きである。 

今後は中国の成長率は鈍化するにしても、米ドルの金利が上昇している間は米資産保有が歓迎されていたが、外貨準備高が年間千億ドル以上の純増を見せていることからも、リスク軽減を図る意味合では他の通貨へのシフトが必然になる。反面、中国政府としても、G7に屈しない人民元切り上げ問題がある以上は介入操作(人民元売り・米ドル買)の構造変化がなされない限りは、米ドル主体の外貨準備高は避けられないのも事実であろう。すでに、人民元が段階的に切り上げられており、思惑的な人民元買いもピークを過ぎており、今後ユーロドルなどにシフトされるにしても新規外貨準備に限定される可能性も高く、現米ドル資産売りが生じると判断するのは時期尚早であろう。要は、自らの保有資産の目減りを推進することはなく、米国からの切り上げ圧力を削ぐための、牽制の意味も含んでいるのかもしれないため、一過性の米ドル売りとして捉えることが賢明であろう。

★昨晩はドル円が118円台半ばまでの上昇をみせたが、同レベルまでが精一杯の感もあり、市場参加者の利益確定レベルでもあり、118円台での上値の重さを再確認できた市場でもある。
今後も乱高下はするであろうが、上値の目安として認識するレベルであり、当面は118円台からの米ドルロングは控えることが賢明であろう。117円台前半の買いと118円台の売りを勧める。
ユーロドルも好調なユーロ経済を背景にして、12月の織り込み済みの利上げも含めて、来年度早々の利上げ先行ムードもあり、基調としては下値堅調と判断するが、ドル円と同様に上値の限界とも言われる1.28台半ばにかけての神経質な攻防に注視したい。同レベルでの利益確定とポジション調整売りが散見されるため、とりあえずはポジションの見直しレベルとして一考することを勧める。
米ドルからユーロドルへのシフトが過去にも何度となく言われたが、最終的には頓挫しており、今回の件でユーロドルのシフトに関心は注がれるマーケットではあるが、下値堅調程度の認識で臨む事を勧める。
1.27台半ばの買いと1.28台半ばの売りを勧めるが、依然として、ストップロスのユーロドル買いが散見されている関係上、1.28台後半の売り始動も考慮したい局面である。


プロフィール

鈴木郁雄

Ikuo Suzuki

ケンティッシュジャパン代表

オーバーシーズユニオン銀行入行後、フランスの3大銀行のひとつであるソシエテジェネル銀行東京支店に勤務、外国資金本部長として20年間のディーリング経験を持ち、為替のみならず今話題のデリバティブ業務を日本に導入し、ディーリング部門を統括し、多大な成果を挙げる。01年10月為替投資顧問会社ケンティッシュ ジャパンを設立、今現在も邦銀大手ならびにロンドン・ニューヨークなどの外銀ディーラーとの親密な情報交換し、投資家心理を加えた独自の分析には定評がある。

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