トランプ劇場再燃!視界不良が続く?
予想レンジ
ドル円 110.00〜111.80
ユーロ円 117.00〜118.50
ユーロドル 1.0530〜1.0700
豪ドル円 82.50〜84.00
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先週末発表された3月米雇用統計は失業率が4.5%と完全雇用の状態を示してはいるが、非農業部門雇用者数(NFP)が8.9万人増と予想(17万人増)を大きく下回る内容ではあり、雇用の進捗状況が懸念される。ただ、平均時給は前年比プラス2.7%と堅調に推移しており、拙速的なドル売りには繋がっていない。その中、ダドリーNY連銀総裁がFOMCはまだバランスシート計画を策定中ではあるが、バランスシート縮小は今年終盤か来年始めに開始する旨を述べたこともドル買いを誘発している。市場は注目の米中首脳会談を終えて、ムニューシン米財務長官は貿易均衡にはさらなる努力必要との認識で米中は一致しているとしたほか、非常に近い将来に中国の為替報告を発表すると述べている。円相場に対する直接的なけん制発言ではないものの、ドル円の重石になることは間違いなく、当面、上昇局面での戻り売りが優先されやすい相場環境にある。
一方、ドル円は北朝鮮機のミサイルやシリアへの空爆などの地政学的リスクを背景に、リスク回避的な円高懸念も浮上している反面、日米双方が関与する問題なだけに、一方的に円買いに走るには時期尚早との見方も少なくなく、引き続きトランプ大統領の一言一句に注視せざるを得ない状況に置かれている。
他方、ユーロドルは、ここ最近の節目であった1.06割れとなったことを受けて、次なる節目1.05前後が視野に入りつつある。仏大統領選に対する不透明感も起因しているが、市場全般に様々な材料が山積する中、当面、ドルやポンド、そして、円の動向次第でどちらにも振れやすい相場環境にある。引き続きレンジ幅ユーロドル1.0500〜1.0700まで拡大し、少なめの売買で対応することが賢明であろう。