トランプ劇場とん挫!視界不良の相場展開?
予想レンジ
ドル円 110.00〜111.50
ユーロ円 119.00〜120.80
ユーロドル 1.0750〜1.0900
豪ドル円 83.50〜85.00
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米共和党内でヘルスケア法案の支持が集まらない中、トランプ米大統領が医療保険制度改革(オバマケア)代替法案の採決を撤回した事を受けて、今後の税制改革やインフラ投資計画に支障をもたらすとの見方が支配的である。一部報道ではトランプ大統領は今後も税制改革に注力していく方針が伝わっているが、市場はとりあえずドルの調整売りに追われている。ただ、米議会予算局の試算によれば、今回のオバマケアが完全撤廃されればは米財政赤字の側面では10年間で従来の3,360億ドルから1,500億ドルまで減少との試算もあるが、引き続きトランプ政権の運営並びに実行能力にかかっている以上、市場は混迷を極めていると言わざるを得ないだろう。
一方、ドル円は3月の期末決算に向けて本邦企業によるレパトリ(ドル売り円買い)取引が活発化する事を前提に上値の重さが意識されているが、トランプ政権が打ち出している一連の改革案に対する不透明感が加わり、市場原理としては、次なる大きな節目であるドル円110円割れも意識せざるを得ない相場環境にある。ただ、決算後の反動買いや利益確定買いに伴う実需買いも散見されており、下値トライには慎重にならざるを得ないだろう。
他方、ユーロドルは、依然として、ギリシャへの追加支援やフランスの大統領選挙への警戒感なども踏まえて、引き続き戻り売り志向は根強いが、反面、ドルの調整売りが一巡するまでは下値は限定的と見なした方が賢明であり、レンジ幅を1.0750〜1.0900まで拡大し、同レベル前後からのナンピン売買が一考であろう。