ドル高けん制の動き和らぐ!ドル円底堅い展開?
予想レンジ
ドル円 114.30〜115.50
ユーロ円 121.80〜123.30
ユーロドル 1.0600〜1.0750
豪ドル円 86.00〜87.50
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先週注目された2月米雇用統計では非農業部門雇用者数(NFP)が23.5人増と予想を上回る中、平均時給は前月比0.2%の上昇と平均賃金の上げが続いている。また、コーン米国家経済会議委員長によれば、今回の米雇用統計は完璧な数字であり、米国のインフラ投資は少な過ぎると自信を覗かせるなど、今週のFOMCでの利上げの確実性が更に増している。今後も市場は利上げ回数に焦点が向けられるだろうが、年3回程度の利上げが織り込み済みである以上、過剰反応は禁物であろう。
一方、ドル円は米雇用統計発表後には材料出尽くし感もあるが、ロス米商務長官が貿易問題について日本の優先度は高いと述べたことから、ドル高けん制の動きが後退したとの思惑もあり、ドル円は115円台半ば前後から115円割れの展開を見せるなど神経質な展開が続いている。ただ、NYダウ平均株価が続伸しており、依然として、ドルの買戻し志向は根強いと見なした方が無難であり、当面、レンジ幅を114.50〜116.00円まで拡大し、同レベル前後からナンピン売買が一考であろう。
他方、ユーロは特段の買い材料はない中、一部報道でECBが量的緩和(QE)終了を前提に利上げが可能か否か検討している旨が伝わり、ユーロショートの巻き戻し現象を伴い、ユーロドル1.07台目前まで上昇基調を高めている。ただ、先のECB理事会後の記者会見でドラギECB総裁は否定的な見解を述べているだけに、市場では時期尚早との見方が少なくなく、当面、ユーロドル1.07台以上からのロングは自重し、戻り売りに比重を置いた方が得策であろう。