トランプ劇場への不信感と矛盾点が点在!?
ドル円 113.50〜114.80
ユーロ円 120.00〜121.50
ユーロドル 1.0530〜1.0680
豪ドル円 85.50〜87.00
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相対的にはトランプラリーへの期待感が先行しており、株式市場並びに債券相場の押し上げ要因になっている。市場では引き続き堅調な株式相場が予想されている反面、米大統領によるインフラ投資や大型減税などを含めた一連の大判振る舞いに対する警戒感も強まりつつある。トランプ政権のミッションでもある米貿易赤字縮小や雇用創出拡大が財政出動を伴う矛盾点も多々あるだけに、米相場全般が正念場を迎えつつあるのかもしれない。その中、相次ぐ早期利上げを示唆するFRB高官の発言を受けて、足元では3月利上げが現実味を帯びている。また、イエレンFRB議長も先の講演で雇用をめぐる指標とインフレが力強さを維持出来れば、FRBの3月利上げは適切と述べており、拙速的にドルが売られる相場環境ではない.ただ、FRB議長はその後の質疑応答で財政政策の変更を巡り不透明感が強いとした上、移民は労働力人口の増加に貢献しており、トランプ大統領の経済政策にはかなりの不確実性があると指摘、そして、大半のFOMCメンバーはトランプ大統領の経済政策で何が起こるか忍耐強く待つこと強調するなど、年内に2回程度の利上げが有力視されている、
一方、ドル円はドル高けん制の動きも和らぐ中、日米金利差拡大は機関投資家やヘッジファンドなどの運用対象になるだけに、引き続き底堅い展開が予想されるが、NYダウ平均株価に対する過熱感や高値警戒感も増幅しており、ドル円115円トライには慎重になっている。当面、直近のレンジ幅ドル円113.50〜115.00円を重視し、同レベルからのナンピン売買に特化することも一考であろう。
他方、ユーロドルは依然として、米ドルに左右される展開ではあるが、仏大統領選が沈静化したことが好感され、ユーロドル1.06台を回復するなど下値懸念は希薄になっているが、現段階では一難去ってまた一難の状況には変わりがなく、戻りも限定的と見なした方が無難であろう。