米ドル迷走相場?
●11月7日には米議会中間選挙が行なわれるが、イラク問題から共和党に逆風が吹いており、ブッシュ政権の劣勢が囁かれているだけに、為替相場にも計り知れないプレッシャーが押し寄せても不思議ではない。結果次第ではブッシュ政権も『死に体』になる可能性もあるだけに、米経済指標よりも優先することも必要であり、当面はトレードを控えるのも戦略のひとつでもあるが、一時的な米ドル上昇も見込まれるだけに、短期的には米ドルロングの公式も成立することになる。
●米経済の減速が進行している最中で、先週の米雇用統計の数字だけを見れば、10月の非農業部門が予想を下回り、米ドルが売られることがマーケットの常套手段であるにもかかわらず、失業率が4.4%と完全雇用に近い水準に達していることには驚かされるが 米国の底力を垣間見る一面でもある。しかしながら、上方修正が何度も行なわれているが、一連の米経済指標の減速感は否めず、それどの好調な米経済とも言えないのも事実であろう。すでに米長期金利も上昇を示しており、ふたたびインフレ懸念と利上げまで浮上するとなると、市場参加者も不可解な米経済指標を基にして、安易な状況判断は禁物と言える相場である。ポジション調整による手仕舞いが顕著に現れる相場であることから、一喜一憂しない冷静な判断が要求され、難易度も高い相場環境であるため、少なめのポジションで終始することが賢明であろう。
●基本的には利上げ打ち止め以来、米ドルの上値も限定的であり、各国中銀が軒並み米ドルから他の通貨にシフトする傾向は否めず、特に新規の流動性資金には米ドル離れの傾向が強くなると推測できるだけに、一方的な米ドル上昇もなく、現状でも下値不安が増している状況であることには間違いはないであろう。
●渡辺財務官が述べた『これ以上の円安はない』と断定的な見解は現状では口先介入以外の何者でもないが、同時にキャリートレードの警告も含めて、当局が何がしらの事前警告として、捉えた備えは必要である。仮にドル円120円以上の円安になったとしてもと、当局関係者が2度までも円安牽制を行なった事実は無視できず、常に要警戒を意味する発言であったと認識する事は必要である。ドル円120円+ユーロ円150円=計270円の円安レベルには要注意である。
●今週もシカゴIMM先物通貨(投機筋)円ショート残高に注目しなければならないが、数字上では13.7万枚ショートから5.9万枚までの大幅な手仕舞いが生じたことからも、総体的には投機筋の大きな変化が見られるだけに、更なる手仕舞いも想定しなければならない。しかし、事実上はドル円116円台からドル円118円台に戻って終了していることを踏まえると見極めは難しい段階ではあるが、新たな投機筋の動きも警戒し、今週もリスク限定のポジションでスタートすることが良策であろう。
★***********今週のペットでも判る簡単チャート***********
作成年月日 2006年11月05(日) 週末の終値ベース 事前予想実施中
先週半ばには一時的には米ドルの売られすぎとも思える水準に達した。その水準が先週のドル円116.70円とユーロドル1.2780であるが、その後には反転があり、今現在では米ドルが再びニュートラルなレベルに達している。
★新外為の森HP内US$チャート(ユーロドル/ドル円)米ドルの強弱を参照
▲ドル円(ユーロドル⇔ユーロ円)平均乖離幅0.1000 現状乖離幅0.1175→0.1199)
乖離幅試算=1÷ユーロドル1.2717=0.7863⇔100÷ユーロ円149.80=0.6664(0.7863−0.6664=0.1199)
先週は売りシグナル117.60円が点灯していたが、ドル円116円台になってからの買い局面となり、再び、売りシグナル118.00が点灯中。過去の週間ごとの乖離幅と売買シグナルは以下の通り。
0.1210(118.30売り)→0.1234(116.60売り)→0.0870(113.80買い)→0.1133(116.50売り)→0.1165(114.50売り)→0.0958(114.00買い)→0.1095(116.15売り)→0.0982(114.45買い)→0.1103(116.30様子見)→0.1153(117.25売り)→0.1177(117.60売り)→0.1111(116.55一部買戻し)→0.1143(118.15売り)→0.1268(119円売り)→0.1314(119.65売り)→0.1250(118.72売り)→0.1175(117.60売り)
▲ユーロドル(ドル円−ユーロ円)平均乖離幅28円 現状乖離幅32.20→32.05円)
先週の通常の売りシグナル1.2738から今週も乖離幅の変化はすくなく、引き続き売りシグナル1.2717が点灯中。過去の週間ごとの経緯は下記の通り。
1.1940売り→1.1878買い→1.2045売り→1.1911買い→1.2190売り→1.2030買い→1.2269売り→1.2096買い→1.2627売り→1.2729売り→1.2921売り→1.2778売り→1.2917売り→1.2510買い→1.2810売り→1.2875売り→1.2755売り弱め→1.2835売り←1.2672売り弱め→1.2784売り→1.2675売り弱め→1.2600売り(一部買戻し)→1.2511買い→1.2612売り弱め→1.2738売り
▲豪ドル(ドル円−豪ドル円 平均乖離幅28円 現状乖離幅27.25→27.20円)
先週は弱めの売りシグナル0.7683が点灯し、途中経過では通常の売りシグナルが瞬間的にはあったが、今週は先週と変わらず売りシグナル0.7695が点灯中。過去の週間ごとの売買シグナルは以下の通り。
0.7380買い→.0.7318買い→0.7432買い継続→0.7517売りclose→0.7536様子見→0.7524様子見→0.7676売り→0.7661売り継続→0.7595売り継続→0.7665売り→0.7537買いclose→0.7503様子見→0.7460買い→0.7420買い→0.7509売り解消→0.7586様子見→0.7683売り
▲NZドル(ドル円−NZ円 平均乖離幅38円 現状乖離幅39.65→38.95円)
先週は0.6628で様子見が点灯していたが、今週は売りシグナル0.6699が点灯中。過去の週間ごとの売買シグナルは以下の通り。
0.6082買い→0.6334買い→0.6422売り→0.6200様子見→0.6335様子見→0.6179買い→0.6082買い→0.6114買い継続→0.6242買い継続→0.6251買い→0.6395買い→0.6550売りclose→0.6375買い→0.6628買い継続→0.6615売りclose様子見→0.6530買い弱め→0.6584買い→0.6573買い→0.6680売り解消→0.6628様子見
▲カナダドル(ドル円−カナダ円 平均乖離幅14円 現状乖離幅12.55→13.55円)
先週は弱めの買いシグナルが1.1195で点灯していたが、今週は早くも1.1297で様子見レベルに達している。週間ごとの売買シグナルは下記の通り
1.1057買い→1.1099買い→1.1180買い継続→1.1010買い→1.1063買い→1.1229買い継続→1.1160買い→1.1282買い→1.1376売りclose→1.1318様子見→1.1276様子見→1.1248買い→1.1088買い→1.1048買い→1.1207買い→1.1298売り→1.1195買い→1.1174買い継続→1.1258売りCLOSED→1.1379売り→1.1262買い→1.1195弱い買い
▲ポンド(ドル円x2−£円平均乖基準離幅20円 現状乖離幅12.05→11.70円)
ドル円118.00x2=236.00−ポンド円224.30=11.70円 先週の強い売りシグナル1.8975に引き続き今週も強い売りシグナル1.9008が点灯中。過去の乖離幅の経緯は以下の通り。
乖離幅30円前後から10円まで縮小しており、10円を割ってくると強い売りシグナルが点灯する。最近の乖離幅の経緯は13円→16→13→17→21→17→10→13→15円→17→14→17→15→13円と乱高下している。乖離幅の売買目安=乖離幅30円→1.74、25円→1.780、20円→1.8250、15円→1.8600、10円→1.9000レベル。
▲スイスフラン(ドル円−スイス円 平均乖離幅23円 現状乖離幅23.45→23.85円)
先週は1.2491で弱めの買いシグナルは点灯していたが、今週は早くも売りシグナル1.2533が点灯し、様子見に突入している。陽S見レベルに基本的には様子見レベルである。過去の週間ごとの売買シグナルは以下の通り。
1.2261買い→1.1981買い→1.2165買い→1.2250買い→1.2088買い→1.2306買い→1.2234買い→1.2432売り→1.2333買い→1.2394買い→1.2307買い→1.2475買い継続→1.2552売りclosed→1.2366買い→1.2509買い弱め→1.2606売りポジションClosed→1.2728売り→1.2594買いclosed→1.2491買い
★豪ドル円/NZドル円裁定取引平均基準乖離幅10.00円)現状乖離幅12.40→11.75円)
乖離幅が落ち着いている。当面は10円割れと13円前後が売買の目安であるが少な目のスタート可能。豪ドル売り/NZドル買い。過去の週間ごとの経緯は次の通り。
9.30→10.80→11.80→13.95→13.05→14.60→16.00→15.45→13.95→13.00→14.40→15.35→16.00→15.40→14.90→17.15→16.05→15.40→13.90→14.05→13.60→10.55→11.00→9.95ポジション解消→11.20様子見→10.75様子見→12.40
▲単純加算方式 ユーロ円+ドル円(255円以下は円高&265円以上は円安の目安)
過去の経緯2月平均258.80 3月平均257.83 4月平均260.42 5月平均255.44 6月平均259.28 7月平均262.43円 8月263.61円 9月266.51円 10月268.38円 270円に接近すれば、円安警戒レベル。今週は118.00+150.05=268.05と依然として高水位準の円安レベル。
● 欧州通貨ペア
▲ユーロポンド『平均乖離68円 現状乖離幅73.35→74.25円』
先週の様子見0.6713かは変化はすくなく、乖離幅は拡大しているが、チャート上では様子見0.6690レベルである。過去の売買シグナルは以下の通り。
0.6941売り→0.6974売り→0.6939売り→0.6915売り→0.6922売り→0.6748買い→0.6731様子見→0.6818売り→0.6759売り継続→0.6737買い→0.6795売り→0.6735買いclose→0.6730様子見→0.6768様子見→0.6735様子見→0.6743様子見→0.6689様子見→0.6713様子見
▲ユーロスイス『平均乖離50円 現状乖離幅55.65→55.90円』
先週の売りシグナル1.5911から引き続き今週も1.5937で売りシグナルが点灯中。過去の売買シグナルは以下の通り。
1.5717売り→1.5775売り→1.5811売り←1.5744売り→1.5607買い→1.5726売り→1.5815売り→1.5818売り継続→1.5808売り継続→1.5905売り→1.5855売り継続→1.5884売り継続中→1.5925売り→1.5883売り継続 →1.5911売り継続
▲ポンドスイス『平均乖離28円 現状乖離34.85→36.00円』
先週の強めの売りシグナル2.3702から、更に強い売りシグナル2.3824が点灯中。過去の週間ごとの推移は以下の通り。
2.2986売り→2.2763買い→2.2641買い→2.2846売り→2.2670買い→2.2742買い→2.2795売り→2.2694買い→2.2865売り→2.2742買い→2.2651買い→2,2779売り→2.2621買い→2.2683売り→2.2975様子見→2.3340売り→2.3495売り→2.3200買い→2.3388売り様子見→2.3447様子見→2.3264様子見→2.3615売り→2.3585売り継続→2.3617売り継続→2.3713売り→2.3702
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新外為の森 参照http://kentish.fc2web.com
★ 本ペットチャートでは3段階分散投資をお勧めしています、常に少なめからの始動をお願いいたします。
★ 最終的な投資・運用の判断はご自身の責任で行って下さい。
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