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鈴木郁雄の実践・為替ストラテジー

FOMC攻撃 vs 短観防御

FOMCの9回連続の0.25%利上げには終止符の予感はなさそうだが、米?買いを押し上げる材料として見なすには少々疲労感も漂う。野球で言えば、9回表の米国の攻撃が始まるが、攻撃している時の米国は強いが、防御に回れば軒並みに短所が現れる。9回裏には防御しか策がない日銀短観が待ち受けており、相場感としては思考錯誤ばかりが先行する。
▲今年はメジャーでもヤンキースが苦戦している原因がピッチャー陣にあることは言うまでもないが、金満軍団のヤンキースでも構造改革が必要なように、ダメにならないと夢追い人間になりがちになり、プライドが許さないため、更に力ずくで補強しようとするが、徒労に終る確率は高まるばかりである。最強軍団を作ったつもりでもチームバランスに支障を来たすのは、一流プレーヤーばかり集めても勝負には勝てない証でもある。

▲金融機関でも優秀なディーラーが集まっても収益には結びつかない実証済み?残念ながら東京市場ではポジションの規制管理が厳しい金融機関ばかりで、スーパースターの育つ環境ではなくなっているが、明日からの法改正を期に一般の人からもカリスマ的なトレーダーの出現を期待したいものですね。自称為替のプロがアマチュアに教えを乞う日も近い。為替のプロは負けず嫌いでなければ、勝つことも不可能であるが、負けに慣れたディーラーも星の数ほどいる世界でもある。
▲終ってみれば何も進展が見られない状況が濃厚であるが、大きく相場を動かせる要因が擦り切れた金利とデフレ懸念ばかりを気にしている短観では現状維持か一瞬の乱高下にかけた方が効率は高い。ドル円109.50の買いと111円の売り、ユーロドルは1.1970の買いと1.2150の売りと断定してみるのも一案である。

●○日銀短観のサヨナラ勝ち(円高)の可能性は低いが、ストップロスの置き方次第では妙味ある相場でもある

プロフィール

鈴木郁雄

Ikuo Suzuki

ケンティッシュジャパン代表

オーバーシーズユニオン銀行入行後、フランスの3大銀行のひとつであるソシエテジェネル銀行東京支店に勤務、外国資金本部長として20年間のディーリング経験を持ち、為替のみならず今話題のデリバティブ業務を日本に導入し、ディーリング部門を統括し、多大な成果を挙げる。01年10月為替投資顧問会社ケンティッシュ ジャパンを設立、今現在も邦銀大手ならびにロンドン・ニューヨークなどの外銀ディーラーとの親密な情報交換し、投資家心理を加えた独自の分析には定評がある。

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