無謀な大統領令乱発に陰り!ドルの高値掴みに要注意?
予想レンジ
ドル円 114.00〜115.80
ユーロ円 122.00〜123.80
ユーロドル 1.0600〜1.0750
豪ドル円 85.80〜87.50
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市場はトランプ新大統領が連日乱発している大統領令に対して、米国内でも不快感を覚え始めているが、引き続き雇用創出を前提に更なる大統領令に邁進する可能性が高く、為替並びに株式市場は視界不良の段階に追いやられた感が強い。短期的にはトランプ新政権は前オバマ大統領体制を覆す政策に終始しているが、米国への回帰策は製造コストの上昇や米国内の緊張感を高める結果になるだけに、世界的な世論の反対を押し切れるかどうかは関心が集まりつつある。その中、依然として、米金利先高観測は根強いが、当面、米10年国債利回りが2.5%近辺で往来している段階では、拙速的なドル買い及びドル売りに転じる難しさがある。
一方、ドル円は株高を背景にドル円115円台を回復してはいるものの、依然として、ドル高けん制の動きを払しょく出来ない以上、現時点では深追いは禁物と言わざるを得ないだろう。いずれにしても、トランプ大統領の一言一句に振り回される展開が続くが、今週には日銀金融決定会合、そして、FOMCが控える中、米連邦準備理事会(FRB)は今年、複数回利上げを行うとの見方に変わりないと述べてはいるが、FRBとしては、現状の経済並びに政情不安が高まる中、安易に利上げを加速するかは疑問視されるとの見解も少なくない、何らかの手掛かりを見てからの始動が一考であろう。
他方、ユーロドルはドルの動向次第と言えるが、1.07前後で試行錯誤が続いているように、徐々に上値の重さが意識されている。引き続き直近のレンジ幅を重視し、戻り売りに専念することも賢明であろう。