トランプ相場に翻弄される相場展開!ドル円120円期待から110円への円高不安?
予想レンジ
ドル円 115.00〜117.00
ユーロ円 121.80〜123.50
ユーロドル 1.0450〜1.0630
豪ドル円 84.50〜86.00
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先週末発表された米雇用統計では非農業部門雇用者数は事前予想を下回ったものの、平均賃金が前年比でプラス2.9%まで上昇するなどほぼ完全雇用の状態にあるが、米長期債利回りが低下しており、ドルを積極的に買い戻す動きは限定的になっている。米連邦準備理事会(FRB)は今年2〜3回程度の利上げを見込んでいるが、中期的には米金利差拡大を背景にしたドル買いニーズは根強いものがあるが、世界経済が不透明感を増す中、加速的な利上げペースには懐疑的な見方も少なくない。その中、日米金利差が3%程度に広がれば円キャリートレードが再燃し、ドル円120円台を目指す動きも考えられる反面、明日にはトランプ次期大統領が初めて記者会見に臨む予定であり、ドル高けん制論が強まる可能性があり、市場は相対的にドルの高値掴みに慎重になり始めている。また、中国中央銀行が発表した外貨準備高は3兆ドルを維持しているものの、2011年2月以来の低水準まで落ち込んでおり、今後も元安阻止によるドル売り元買い介入を背景に、ドルロングを維持ずる難しさもある。
一方、ドル円は米長期債利回りが伸び悩む中、ポジション調整売りに圧される格好で、一時116円割れへとドルロングの解消する動きが目立っている。市場は株高が円売りに反応薄である反面、株安には過敏に反応する嫌いもあるだけに、徐々に上値の重さが意識されている。その中、自動車業界がトランプ発言に振り回されているように、トランプ政権での経済対策を見極めるまでは安易にどちらにも動きづらい状況に置かれており、当面、レンジ幅をドル円115〜117円まで拡大し、同レベル前後から少なめのナンピン売買で対応することが一考であろう。
他方、ユーロドルは英メイ首相がEU離脱を明言したことからポンド売りに拍車がかかっており、ユーロを買い戻す動きも散見されてはいるが、依然として、ドルの動向次第の展開は否めず、当面、ドル円と同様に、レンジ幅を1.0400〜1.0600まで拡大し、売買を模索することが賢明であろう。