売買材料多様化!相場の動意待ち?
予想レンジ
ドル円 112.50〜114.50
ユーロ円 120.00〜121.80
ユーロドル 1.0550〜1.0700
豪ドル円 83.30〜85.30
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先週末発表された米雇用統計では、失業率が4.9%から4.6%と大幅に低下し、予想を上回る速さで完全雇用に近づいている。その中、非農業部門雇用者数(NFP)は17.8万人増とほぼ事前予想に一致してはいるが、市場が注目していた賃金については前月が高い伸び率だった反動もあり、伸び悩んでいる。引き続き今月の米利上げ観測を裏付ける内容には変わりがないが、市場はすでに織り込み済みであると共に、トランプ・ラリー相場に対する違和感と共に、急ピッチの株高・原油高に対する警戒感を踏まえながら、ドルの調整売りが先行している嫌いがある。ただ、総じて、積極的なドル売り材料がないだけに、一過性の利益確定売り局面と捉えたほうが一考であろう。
一方、ドル円は依然として、節目である115円前後が意識される中、実需や利益確定売りに圧される格好で113円台半ば近辺まで切り返されている。依然として、日米金利差拡大を背景に、下値は限定的になっているが、IMMシカゴ先物市場における円ポジションはほぼスクエアになっているように、どちらにも積極的に仕掛けづらい相場環境にある。基本的には相場が大きく動意づくまで待機策が賢明であると同時に、直近のレンジ幅112.50〜114.50円重視で臨むことが一考であろう。
他方、ユーロドルはドルの調整売りも手伝い、底堅い展開を見せているが、イタリアの国民投票の成り行き、そして、今週のECB理事会において、現在の月間800億ユーロペースでの購入規模を期限延長するとともに、今までの追加緩和策を終了することを検討している旨が伝わるなど、不透明感が強く、引き続き米ドルやポンド動向に振り回される展開にある。ドル円と同様に、直近のレンジ幅で売買を模索することが一考であろう。