日米欧の金融政策難航中!金利差でドル買い優勢?
予想レンジ
ドル円 100.30〜101.80
ユーロ円 112.50〜114.30
ユーロドル 1.1150〜1.1280
豪ドル円 76.30〜77.80
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市場は日銀決定会合やFOMCを終えて、相対的に次なる材料探しの場と化している。先週末も相次ぐ要人発言が続く中、ローゼングレン・ボストン連銀総裁は利上げの見送りは著しい不均衡のリスクをはらんでおり、緩やかで段階的な利上げを主張、カプラン・ダラス連銀総裁は2016年の米GDPは1.7%成長見込むとした上、FOMCの利上げに関しては、辛抱強くいられると金利正常化に向けて前向き姿勢を示している。反面、カシュカリ・ミネアポリス連銀総裁はインフレ期待を抑制するには何年もかかるとした上、利上げは遅すぎるより早すぎる方を懸念すると早期利上げには否定的であり、依然として、FOMC内部でも利上げに関しては玉虫色と言わざるを得ないのかもしれない。今後も米利上げ時期に左右される展開が予想されるだけに、当面、過剰反応することなく、相場が大きく動意づいてからの始動が賢明であろう。
一方、ドル円は早期の米利上げ観測が遅々として進展せず、相対的に戻り売りに屈服した感は否めないが、米10年債券利回りが1.6%台で推移している以上、ドル円100円割れへの危機感は少なく、相対的には日米金利差拡大を背景に買戻し優勢志向は健在であろう。ただ、利上げが先送りされたにもかかわらず、NYダウ平均株価が軟調に推移するなど、株安円高を横目に、上値も限定的になっている。
他方、ユーロドルは特段の買い材料はない中、ドル売りに助長された格好でユーロドル1.12台まで買い戻されている。その中、バイトマン独連銀総裁は世界経済には勢いがないが、英EU離脱問題による短期的な影響は限定的とし、年内には内需は盛り上がって行くことを強調しており、現時点では財政刺激策は必要ない旨を示すなど、市場は若干ユーロドルの買戻しに傾斜している。引き続き狭いレンジ幅での攻防と判断し、相場が動意づいてからのナンピン売買で臨むことが得策であろう。