株安懸念と日米金利差拡大に挟まれ、ドル円視界不良!?
予想レンジ
ドル円 102.00〜103.50
ユーロ円 114.50〜116.00
ユーロドル 1.1150〜1.1300
豪ドル円 76.80〜78.30
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相対的に米9月の利上げ観測は後退気味であるが、米国債利回りが軒並み上昇、米株式市場でダウ平均が前日比394ドル安と急落するなど、再び米利上げ観測が高まりつつある。先週末にFOMCのメンバーであるローゼングレン・ボストン連銀総裁は完全雇用を確実するには緩やかな引き締めが必要であり、利上げの先送りはリスクにつながると述べ、また、カプラン・ダラス連銀総裁はここ数ヵ月で利上げシナリオは強まっており、現在の低水準の金利には代償があると指摘、そして、タルーロFRB理事は利上げの時期には言及してはいないものの、年内利上げの可能性を排除しないつもりとしたうえ、先に発表されたISM指数の単一指標だけで経済を見るべきではない旨を述べている。総括的には米利上げ態勢体制は着実に進行していると言わざるを得ないだろう。ただ、世界的な低金利政策の中での利上げに対する影響が未知数なだけに、米当局としてもジレンマ状態にあるのが現状なのかもしれない。
一方、ドル円は日米金利差拡大を背景に、一時103円台に上昇、来週の日銀およびFOMCの金融政策を前にして、試行錯誤が続いているが、NYダウ平均株価が急落しており、株安による円買いと米金利先高観測による円売りに挟まれる格好で、どちらにも仕掛けづらい相場環境にある。当面、直近のレンジ幅101.50〜103.50円を重視し、逆張り志向で臨むことがリスクの軽減につながるだろう。
他方、ユーロドルはECB理事会では政策金利を据え置いたが、引き続き追加緩和策強化への期待は根強く、改めてドル買い戻しを背景にユーロドル1.13台の上値の重さが意識されており、引き続き戻り売り優先で臨むことが得策であろう。