米利上げ観測進展中!ドル円100円割れ危機遠のく?
予想レンジ
ドル円 101.00〜102.50
ユーロ円 113.00〜114.50
ユーロドル 1.1100〜1.1280
豪ドル円 76.00〜77.80
***********************
注目されたイエレンFRB議長の講演では米経済は目標とする最大雇用と物価安定に近づいているとしたほか、政策決定はデータがどれだけ見通しを裏付けるかであるが、この数ヵ月で追加利上げ実施への説得力があり、緩やかな利上げが適切と述べたことを好感しドルの買い戻しに拍車が掛かっている。ただ、市場が期待している9月の利上げに関するヒントを見出せたとは言い難く、引き続き12月の利上げ説が有力視されている。その中、フィッシャーFRB副議長が8月雇用統計はFOMCの決定に影響するとした上、イエレン議長の発言は9月利上げの可能性と整合すると述べている。また、ロックハート・アトランタ連銀総裁は今年2回の利上げは想定可能と強気発言に終始するなど、利上げは待ったなしとも言える状況にある。反面、カプラン・ダラス連銀総裁は今後予想される金利の過程はかなり平坦なものになるとし、米国は低金利だけではなく、構造改革や財政措置も必要と述べている。そして、ブラード・セントルイス連銀総裁は年内の利上げは可能であるが、いつ利上げすべきかについては不確かであり、非現実的な強気の見方はFRBの信頼感を損ねると反論するなど、未だに利上げ時期は9月か12月かは判断が分かれていると見なした方が無難であろう。
一方、ドル円は米利上げ期待を背景に円安基調へと息を吹き返しつつある。ジャクソンホールに出席していた日銀黒田総裁はマイナス金利の効果を強調すると共に、更なる拡大余地も示すなど、株高及び円安維持に意欲的である。ただ、口先介入の域を脱しておらず、ドル円102円台には届かず、同レベルでは利益確定売りや実需売りが控えるなど、米利上げ観測期待による高値掴みには要注意と言わざるを得ない。当面、レンジ幅を101.00〜102.50円まで拡大し、同レベル前後からナンピン売買が一考であろう。
他方、ユーロドルは特筆すべき買い材料の無い中、米利上げ観測を背景に、1.12割れへと失速気味に下落している。相対的に米ドルやポンドの動向に左右される展開を余儀なくされているが、あくまでもレンジ相場の段階であるが、英EU離脱決定後の欧州企業の落ち込みが鮮明になっており、引き続き戻り売りを優先して臨むことが賢明であろう。